<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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沢木耕太郎の「深夜特急」を読み返している。
4回目の読み返しだ。
私は同じ本を何度も読むという習慣があまりないのだが、司馬遼太郎の「坂の上の雲」「竜馬がゆく」とこの「深夜特急」は読み返してしまう数少ない作品のひとつなのだ。

仕事やプライベートでストレスがたまると、10年ほど前までは旅にでることにしていた。
時間と予算が充分に確保されないところは西日本を中心とした国内旅行だったが、時間と予算が許せば海外へ飛び出た。
海外といっても東南アジアばかりだったか、木曜日、金曜日と有給休暇を取れば土日と併せて4連休が取れるので、日曜深夜に現地を出発する深夜便で日本へ変えてっくると4日を殆どいっぱい楽しめることが出来たのだ。

海外を旅すると日本という拘束がなくなる。
私の旅はほとんどの場合一人旅。
回を重ねるごとに現地でも日本人に会いにくい場所を選んで旅をするようになった。
だから渡航先はミャンマーが多くなったのかもしれない。
民主化前のミャンマーは現地を訪れる日本人は年間数万人しかいなかった。
だからタイのバンコクのように、どこに行っても日本人ばかりということは殆ど無い。
さらにミャンマーの地方の街へ行くと、ほとんど日本人に会わない。
日本の雰囲気をほとんど感ずることがなくなるのでストレスがなくなんとも心地よい。
ミャウーという街へ行ったときは日本人だけではなく他の外国人もほとんどいなかった。
なんといっても私以外は国連のスタッフ数名のみ。
大いに感動したものであった。

このように全く違った世界を短期間ながらも旅をすれことは非常に重要だ。
なにより心をリセットすることができる。
リセットすると日常をより冷静に過ごすことが可能になるのだ。
本を読んだり、未知の食べ物を体験したり、喧騒や静寂を感じる。
そして何よりも全く違った文化の中から自分の文化を俯瞰的に見ることができるのが旅の楽しみであり醍醐味である。

沢木耕太郎の「深夜特急」は私自身が旅に出られないときの代用旅行とも言えるもので、筆者と一緒にユーラシアを香港、マカオ、バンコク、シンガポール、カルカッタ、カトマンズと旅することで心のリセットをすることができる。
とっても大切な紀行ということができる。
今回は先月から続く仕事とプライベートのストレスをどうしても癒やしたくて第一巻から読み始めた。
内容はかなり記憶に残っているのだが、やはり読み始めると毎回新鮮で今まで気づかなかった「何か」を発見することになる。

第三巻を読み終わりやっと私たちはデリーに到着した。
「深夜特急」文庫版全六巻のうち三巻目でやっとスタート地点に到着。
これからバスでロンドンに向かうのだ。



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