<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





「ドイツの家庭なら1セットは必ずあります」

というのは、たこ焼き焼き器ではない。
それは大阪の話。
一昨年、ある機器の技術レクチャーを受けた時のドイツ人講師の先生が話したのは独メルクリン社の模型の話なのであった。

実は私は子供の頃からメルクリンのファンで、コレクションと呼べるようなシロモノではないのだが、いくつかもっているのだ。
学生時代ならいざしらず、最近は鉄道模型に投資するだけの小遣いに不足しており、というよりも、酒代に消えている、というのが事実かもしれないが、なかなか新しい車両やレールのセットを買えずにいる。

そんな中、これだけは継続を、ということで毎年会費を払って続けているのはメルクリンクラブの会員だ。

メルクリン社というのは世界で最も古い鉄道模型メーカーで、その歴史は100年を超える老舗だ。
HOゲージと呼ばれるスケールモデルと、Zゲージというスケールモデルを主に日本国内では販売しているのだが、これがなかなか素晴らしい。
親子三代で遊べる、をコンセプトに駆動部分は頑丈に作られ、模型のくせにモーターは交流を使用している。
マグネットが錆びてくる日本製の模型とは雲泥の差があり、模型と言うよりも宝石のような感覚だ。

このメルクリン社のファンを束ねるメルクリンクラブはメルクリン社が運営しているのだが、年間約1万円の会費(ユーロ払い=だから今年はかなり安くなるかもわかならい)で、会員になると、メルクリンマガジン1年分、総合カタログ、イヤーカート呼ばれる車両1台をゲットすることができる。
このうちメルクリンマガジン(英語版)は不定期的に独から船便で送られてくる。
総合カタログとイヤーカーは最寄りの販売店に申し込んで取り寄せる。この場合、運賃手数料だけ負担しなければならないが千円か二千円というところで、リーズナブルだ。

年末に販売店の百貨店から、
「イヤーカーが入りましたよ」
と連絡があり、
「んじゃ、年明けに貰いに行きます」
と返答をしていたのを、やっとこさ先日受け取ってきたのだ。

今回は貨車なのであった。

イヤーカーは時々意表をついて、「こんなん鉄道模型ちゃうやん」というようなものが送られてくることがあるだが、今回は正攻法なのであった。
正攻法だけに、
「適当な在庫残りを送ってきたのとちゃんやろな」
と疑問が浮かんだ。
なんといってもメルクリン社は数年前に倒産。
イギリスの投資会社の傘下になり再生を図っているような会社なので、いささか心配だ。

しかし、そこは朋友独のこと、ごまかしはなかった。

車両には小さな文字で、しかし鮮明に2011メルクリンインサイダーの文字が書かれており、なかなか粋だ。
模型自体のディテールも素晴らしく、これもコレクションとして申し分ないことがわかった。

とまあ、これで新たなコレクションが加わったわけだが、模型店でショッキングなニュースも耳にし、人々の嗜好の変化に寂しさを感じたのだ。
なんと、模型の中でも景観を受け持つ駅や、住宅、ビルなどのストラクチャーモデルを作っていたファーラーという会社とキブリが倒産していたのだ。

時代の流れを感じる、模型ワールドの寂しさを感じさせる年明けなのであった。





コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 輪投げで町興... 口コミサイト... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。