<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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「長い雨だな」
と思っていたら、各地で甚大な被害を出して今も日本海に居座る台風12号。
幸いなことに私の住んでいる地域は大した被害もなく、今は時おり雲の切れ間から太陽が顔を出しているようなところまで回復している。

ところが和歌山や奈良では大変な事態になっているようで、奈良県の山間部では半年に降る雨量がたったの3日間で降ったために道路が寸断、がけ崩れ、土砂崩れ、河川の決壊が相次いでいるようだ。

そんななか、「JR紀勢本線の橋脚が流された」というニュースが飛び込んできたので驚いた。
なんでも那智川にかかっている橋脚が増水した川に流され、復旧には数ヶ月要する事態になっているのだという。
那智川は串本と新宮間にかかる橋で、この橋が流されたということは、大阪から新宮へ運行している特急列車が走れなくなるということなのだ。

ところで、国鉄がJRになってから鉄道に対する国の補助金がいささかチープになっているように思えるのだが、それは正しいのだろうか。
というのも、自然災害がローカル線を襲い、重要なインフラを破壊してしまったために、そのまま廃線に追い込まれた路線が少なくないからだ。

例えば最近では宮崎県を走っていた高千穂鉄道が台風による路線破壊により復旧できず、そのまま廃線してしまった事例がある。
またJR東日本の岩泉線も集中豪雨による被害で路線を消失。
こちらは大手鉄道会社の路線だが、走っている所がローカルなため復旧の見込みはたっておらず、そのまま廃線に持ち込まれそうな雲行きなのだという。
また3.11で甚大な被害を受けた三陸鉄道や、原子力発電所事故のために復旧できない常磐線などは、いったいどうなってしまうのか。
全国の注目が集まっているところなのだ。

そんなところにJR紀勢本線の鉄橋流出。

この路線は関西からの特急列車も走っている和歌山南部の大動脈、と言いたいところだが、ローカル線に変わりはない。
なんといっても紀勢線の白浜以南は1時間に1本列車が走っているかどうかというローカル線で、白浜から新宮まで移動するのに3時間近くもかかってしまう。
ところが、白浜の隣町、田辺市から新宮市まで熊野の山の中を抜けて自動車でいどうすると1時間程度しかからず、鉄道の存在意義はそんなに大きなところでもないのだ。

なんてことを書くと地元の人に叱られそうだが、大阪から串本や太地町、紀伊勝浦、新宮へ行くのは大阪から東京へ行くよりも時間がかかることは間違いない。

とはいえ、鉄道は重要な足。
復旧はどうなるのか。
注目されるところなのである。

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
きのくに線 (乗り鉄)
2011-09-06 01:07:53
はじめまして

高千穂鉄道や岩泉線のように行き止まり路線ではないことから、即廃線という事は考えられないでしょう
ただ、2015年度には那智勝浦新宮道路が太地ICまで、南紀田辺IC~すさみ間が延伸開業する予定で、このままでは鉄道の存在価値が失われるのも時間の問題でしょう

白浜~新宮間は特急であっても表定速度は60km台前半と低く、国道を走るクルマに追い抜かれることも多々あります
改良しようにも時間帯によいのを除けば、白浜以南は空気輸送の列車が目立つローカル線で、ここだけ見れば収支状況は10年ほど前に高速化が行われた山陰本線西部より厳しいでしょう
 
 
 
こちらこそ、はじめまして (監督@とりがら管理人)
2011-09-06 12:30:51
乗り鉄さん。はじめまして。

仕事の都合で私は紀伊田辺まで時々電車で出かけます。
紀伊田辺までは乗客が少なくありませんが、そこから南は大変不便で電車に乗って移動する最大のメリットは「景色がいいこと」だけになってしまう面がなくもありません。

それでも鉄道というのは、他の街との繋がりを精神的にも繋いでくれるインフラであはないかと私は考えています。
三陸鉄道もそうですが、今回甚大な被害を受けてしまったJR紀勢線も早急に復旧させることが被災地にとって、最も大きな励ましになるように思います。
 
 
 
きのくに線 (乗り鉄)
2011-09-10 07:20:34
和歌山県はそれほど鉄道に対して熱心に利用客増などの対策はとってこなかったと思います

以前、和歌山テレビの番組で仁坂知事が、「紀南地方へは高速道路が未開通で時間がかかる」という趣旨の発言をしており、鉄道を利活用しようという心意気はまったく感じられません

一応、紀勢本線活性化促進協議会という団体もありますが、公式HPすらなく、滋賀県が草津線の複線化の必要性などを熱心にアピールしているのとは雲泥の差があります

もちろん、この場合において、紀勢本線と草津線の行政の熱心さは単純に比較できるものではありませんが…

被災したのは105系1本と283系1本、Sくろしお用381系1本と聞いております。
ところで水没車に予備車をもって行ったところでなんとかなるのでしょうか?私は恐らく絶縁がほとんど破壊されていると思うのでダメだと思うのですが・・・。
いずれにしても車両も設備も復旧には時間がかかると思います。このまま白浜以遠が無くならないよう願うばかりですね。どさくさに紛れてなんてことも無きにしもありません。

今頃、JR西内部は都合よく減便、あるいはそれ以上のことをできる口実を掴んで、ほくそ笑んでいるかもしれませんね

もちろん、そんなことは考えたくないけど、代行バスの本数と区間のヤル気の無さはどうしたものかと考えたくなります


JR西日本から未だに公式発表が無いので、何とも言えませんができれば修理して復活して欲しいものです

仮に、新宮の283系A編成1本のみに廃車が留まるのであれば、Sくろしおの置き換えも見据えた新型振り子電車を製造する可能性も無いとは言い切れません

ところで、代替のやる気あるのは東海の方ようですね……
JR西の代替のヤル気の無さには失望しました
東海は南紀が半分の運行本数になったとはいえ、列車の本数と同じだけの代行バスを運転していますからねぇ
 
 
 
紀伊半島の交通 (監督@とりがら管理人)
2011-09-10 18:36:42
乗り鉄さん、またまたいらっしゃいませ。

今回の水害で電車の車両そのものも被災していたとは知りませんでした。
現在もなお紀勢線(きのくに線)は白浜以遠が普通の状態で現地の方々は不便をしているのではないかと思います。

水害に遭遇した車両の件ですが、おそらく廃車ではないかと。
1982年のことになりますがJR関西線(大和路線)の王子駅が台風による集中豪雨で大規模冠水。
この時、大量の電車が廃車になったと思います。

ご存知かもしれませんが、関西圏のJRも首都圏と同様に路線によって電車の色が塗り分けられていました。
関西線は緑色の103系電車だったのですが、水害のために緑色の車両がたいへん不足したのか、一時緑色、黄色、オレンジ色、水色の4両編成程度の103系が混在して走っていました。
これは首都圏で言うと山手線と総武線各停、中央特快、京浜東北線の電車が入り交じってはしっているのと同じで、この影響は関西線のみならず阪和線にも及んでいたと記憶します。

私の個人的な希望ですが、遅くとも来春までには復旧してもらいたいな、と思っています。
昔、紀勢線から眺める海の景色は絶品で、自動車での移動では楽しめない観光的価値があると思うからです。

なおJR東海は業績が極めてよいうえ、労使間の問題も東日本、西日本に比べると少ないといいます。
かつ新宮から名古屋の三重県は中京経済圏でもあり、対応しやすいのかも知れません。
私なんか三陸鉄道はJR東海の子会社にして全線復旧させればいいと思っているくらいです。
「金出さないと、リニアや東京駅周辺、品川駅周辺の工事認可出しません。」ぐらい言って折衝する政治家はいないものでしょうか。
 
 
 
Unknown (四国民)
2011-09-26 10:42:25
はじめまして

カネ掛けて復旧させても南海地震等新たな自然災害、そして過疎化による更なります
沿線人口減で赤字が拡大するのは分かりきってるんだから道路整備した上でバス転換を考えた方が良いでしょう。
そもそも和歌山は車社会で鉄道を使う文化はないですし。
和歌山レベルの県で旧国鉄線で廃止・3セク転換になった支線が存在しなかったのがその証拠です。(和歌山市近辺の連絡線とかの突っ込みはなしですね)

初めから鉄道が発達してなかったからこそ「県内JR線全線電化」
全線未電化の対岸の徳島の方が遥かにマシでしょう。
 
 
 
和歌山の交通 (監督@とりがら管理人)
2011-09-27 07:23:24
四国民さん、はじめまして。

営業マンをしていた頃、和歌山は私の担当エリアでよく南部町や田辺市などに出かけました。
和歌山というところは田舎で過疎地域も少なくないんですが、お金は持っていて、和歌山の農家の平均所得は2400万円(農業という産業の収益ではありません)という調査もあります。

確かに自動車の方が移動は便利ですし、早い。
JRは海沿いをクネクネ走っているのに対して、自動車道路は山間を貫いて町と町を直線的につないでいます。
その道路の整備が行き届いている所が、和歌山の知られざる経済力なのかも知れません。

ただJRは他府県からの旅人には重要な足。
観光産業は紀南でも重要な産業に位置していますからJR西日本も復旧に向けて動き出しているようです。
まずはその動きを静観というところでしょうか。
 
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