この日曜日始まったばかりのNHK大河ドラマ「西郷どん」は大河ドラマ史上3番目に良くない視聴率だという。
なんとなく、わかる気がするのはその第一回を見てしまったからかもわかならい。
その昔。
私が子供だった頃の昭和40年代から50年代前半。
NHK大河ドラマはそれはそれはすごいインパクトがあったと記憶している。
視聴率を度外視したビッグネームの配役。
映画のような重厚な作り。
出演者の超硬い演技。
その代表格は平幹二朗が主演した「樅ノ木は残った」だと私は確信している。
というのも、視聴率なんか全く考えていない地味な主人公原田甲斐。
わかりにくい伊達騒動という今や殆どの人が知らないかもしれない一大事件。
しかし、ドラマの背景に流れていた主人公の生き方には多くの人が深い感慨を抱いたに違いない。
小学生の私でさえ感じたのであるから、大人であれば間違いない。
翻って「新撰組!」あたりからの大河ドラマは正直言って別物。
歴史事実も生活習慣もなにもかも握りつぶして、要は楽しそうに見えればそれでよし。
主人公は必ず子供時代から語られて、子役が人気を呼んで視聴率を稼ぐ。
「梵天丸もかくありたい」
あたりがこの始まりかも知れないが、ともかく大衆迎合。
昔の大河ドラマがかなり史実に沿って作られていたという実績があるだけに、
「NHKの大河ドラマがこう描いているのだから事実に違いない」
という、朝日新聞の偏向報道も真っ青なほどの偏ったドラマが展開されているのだ。
「西郷どん」もそういうドラマの1つであった。
頻繁に泣いている西郷さん。(九州男児は容易に泣かない)
お城に簡単に忍び込んでしまう子供たち。
変人殿様。
エトセトラエトセトラ。
林真理子が原作だから仕方がないという意見がネットに数多く上がっているのだが、大河をファミリードラマにするそのやり口。
冗談は顔だけにしておいて欲しい。
そう思える新作大河ドラマなのであった。
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上野の銅像とは随分違うイメージでした。
大河ドラマは中学生ぐらいの子供が見て「昔の日本はこんなのだったんだ」と強い印象を持たせる影響力があるので、作者の勝手な解釈は少々抵抗がありますね。
大河ドラマよりも鬼平犯科帳のほうがリアルに感じられる、そんなドラマ事情のような気がします。