<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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私と同世代の有名人が亡くなると色々と思いを馳せてしまい、しばし他のことが考えにくくなる。
昨日の朝、俳優の渡辺徹が亡くなったというニュースが国会中継の画面の上にテロップが流れたときは、まさにそうゆう心境になった。
そして「郁恵ちゃんが可哀想」という多くの人が抱いた思いと同じことを考えてしまっていた。
まだまだ若く、活躍が期待できたのに病魔がそれにピリオドを打ってしまった。
実に悲しい。

渡辺徹というとニュースでは「太陽にほえろに出演した」ということが再々伝えられているが、私には渡辺徹で忘れがたい役はNHK水曜時代劇「腕に覚えあり」に登場した浪人細谷源太夫だ。

「腕に覚えあり」は藤沢周平著の「用心棒日月抄」を中心にいくつかの作品を下地にした痛快時代劇で主役の青江又八郎は村上明宏。その許嫁を清水美砂、その弟をデビューしたての香取慎吾、美貌のくノ一を黒木瞳。口入れ屋のたぬき親父を坂上二郎という、なんともすごいキャストなのであった。

その中で渡辺徹は主人公が脱藩して江戸に出てきたときに相棒となる作州津山出身の浪人細谷源太夫を演じた。
その人が良くて正義感が強く、陽気で酒好きだが腕は立ち、かみさんと子供を多く抱えて生活が大変な庶民的なキャラクターをとてつもなく魅力的に演じていたのだ。
主役の村上明宏やその周辺も忘れがたいが、私にとっては渡辺徹演じたこの細谷源太夫が忘れがたい存在になっている。

このような時代劇でも味のある素晴らしい演技をした渡辺徹。
これから歳を重ね、男としての魅力が増してくるそのときに、ああ、なってこった!

残念で寂しい、俳優の死去を伝えるニュースなのであった。


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