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上野の国立西洋美術館で開催されている「ル・コルビュジエ展」へ行ってきた。
これは以前からチェックしていた展覧会だったが、期待に違わず豊富なボリュームと濃い内容の展覧会だった。

ル・コルビュジエ。
20世紀を代表する建築家の一人。

展覧会の会場である国立西洋美術館そのものもこの人が設計した。
コルビュジエの作品の一つとして世界遺産に登録されたことは記憶にまだ新しいところだ。

期待をして展覧会を訪問したのだが、私はホントに勉強不足なのであった。
この人はもともと画家であり、その択一な作品構成の思想を建築に用い、類まれなる優れた数々の建築作品を生み出したのだということを本展覧会で知ることになった。
このあたり、美術に造詣が深いカミさんのほうがよく知っていたのだ。

美術展は大きく2つのエリアに分かれている。
1つ目は入館した1階のエリア。
ここは撮影自由でコルビジュエが設計した建築作品の模型が展示されている。
もう一つのエリアは2階で、ここにはコルビジュエの絵画作品や彼に関連した作家や同時代、同世代の著名な作家の作品が展示されていた。
建築作品とその背景。
彼のデザインの考え方の基本になっている要素などを絵画から知ることにより、より深くコルビジュエ作品にふれることになるのだろう。

作品群を見ていて強く感じたのは、専門性とはなんだろうということであった。
建築のような工学上の専門知識を有している必要があると思われる分野で新たなトレンドを生み出すにはそれ以外の分野がどうしても必要で、必ずしも専門性を持った者が何かを生み出すということはないのではないか。
そういうことを強く確認するような感じだった。
例えば安藤忠雄がボクサー出身の建築家であるように。
専門性を必要とする分野に新しい流れを作り出すのはまったく別の世界を経験した、あるいは別の世界からやってきた鋭いセンスを持ったデザイナーが必要なのかもしれないと思ったのだ。

ともかく訪れたのは土曜日だったのだが、ただでさえ混雑している展覧会場に修学旅行で東京を訪れていると思われる中学生の集団が加わり会場は異様な熱気で包まれていたのであった。
なにしろ、体力の要る展覧会ではあった。

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