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<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



先日仕事の打ち合わせもあって京阪電車に乗って枚方市を訪れた。

枚方市は古くからの京〜大坂の中間点で宿場町だった。
秀吉から北河内ならではの小汚い土地の言葉で商売しても良いと免罪符をもらった「くらわんか船」が有名だ。
今は京都と大阪のベッドタウンとなっているが、近くにUSJに次ぐ関西の人気遊園地「ひらパー」があるとか、パナソニックの拠点があるとかで工業と住宅がないまぜになった都市となっている。
京阪電車枚方市駅はその中心で、ここから関西難読地名の1つ「交野市」への支線が出ていたり、少し行くと「織姫彦星伝説」の発祥の地である星ヶ丘があったりする。

実はここがレンタルビデオ最大手TSUTAYA発祥の場所であることを、私はこの日まで全く知らなかったのだ。

この古い歴史を持つ枚方の街に最近「T-Site」がオープンした。
あの東京・代官山と同じ「蔦屋書店」が入っている。
レンタルビデオを書店のTSUTAYAが入っているだけでなく、もちろんスタバやApple関連のストアも入居していて、それぞれシームレスにつながっている。
建物の外観も超モダンで、枚方にあるのが不思議なくらいのコンセプトのショッピングコンプレックスなのだ。

私はここの1階で仕事の打ち合わせをする相手と待ち合わせをしていた。
雑誌をパラパラとめくり、TSUTAYAのスマホなるもののパンフレットを見ていたところにTさんが現れた。
早速打ち合わせをすべくショップから出て歩き始めた。
T-Siteはモダンだが、その他は昔の流れそのものだ。
道路をわたって狭い歩道を京阪交野線の高架の方に向かって歩き始めるとTさんが言った。

「そこの角の餃子の王将ですけど。」
「王将で打ち合わせですか?」
「そうそう、餃子食べながらビール飲んで....ってちゃうって」
「ツッコミ、ありがとうございます。」
「お約束ですから。」
「そうでしょうね。書類、ラー油とかたで汚れそうやし。」
「未だ言うんかいな。で、何を言いたいかというと。」
「はい。」
「この餃子の王将の場所がですね、TSUTAYA創業の地なんです。」
「ええっ!....こんな(次の言葉を飲み込む)」
「そうなんです。」
「こんな...きた.......TSUTAYAは枚方の会社なんですか?」
「ここに店が出来たんです。私が高校生の頃ですけど。」

私はTSUTAYAはてっきり東京生まれの東京の会社だと思っていた。
なぜなら代官山の店のようなコンセプトを投入したり、公共図書館の運営まで引き受ける、社会に常に話題を提供する情報発信型の会社だとおもっていたからだ。
ところが、それが大阪の会社だという。

ビックリした私は帰宅してからすぐにネットでチェックした。
で、TSUTAYAを調べてみると本社は東京と大阪に2つあるが、登記上は今も大阪。
なぜ枚方にT-Siteが誕生したのか。
その理由がなんとなく分かったとともに、大阪人の発想力と行動力はまだまだ衰えていないことを知って大いに勇気づけられた。
「くらわんか船」のエネルギーはまだまだ健在だった。

枚方は侮れない歴史の街なのであった。

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