<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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スタートレックの放送が始まったのが1966年だから、もうすぐ半世紀を迎えることになる。
SFシリーズも半世紀に渡って作り続けられると、さすがに初期の形とは違ったものになってくるのも仕方のないもの。
例えば、先日鑑賞したスーパーマン。
もともとスーパーマンはアメリカらしい勧善懲悪のヒーロー物なのだったが、「マン・オブ・スチール」は、妙に人間ドラマを強化して、その実、非現実的なアクションシーンが溢れているのでバットマンみたいな映画に仕上がっていたことは、先日ここにも書いたところだ。
スタートレックといえどもその法則は免れない。
もしかすると最後に残るのはミスター・スポックの尖った耳だけになるのかもしれないな、と思えることもなくはないのだ。

で、最新作「イントゥ・ダークネス」はそういう危惧を吹き飛ばしてくれるというか、なんというか、どれもこれもファンの見たいシーンを実現しているだけに、非常によく笑える映画になっていたのだった。
笑える、といってもコメディではない。
ちゃんとしたSF映画なのだが、スタートレックのこれまでの作品の名シーンや名エピソードを彷彿させるシーンが目一杯詰まっていて、しかも「お約束」を忘れないまま、最新のアクション映画に仕上がっていた。
こういうところがアメリカ映画の商売熱心なところかもしれないが、それにしてもここまでやるかというのがミスタースポックが「カ~~ン!」と叫ぶシーンで(なんで叫ぶかは見てのお楽しみ)、30年前に本作のベースになった作品を見事に再現していて笑ってしまったのであった。

悲惨なシーンも「お約束」として結末が見えるようなストーリーなのだが、それはそれで随分と楽しい「お約束」。

正直スーパーマンのような変化を遂げていない代わりに「水戸黄門」みたいな大いなるマンネリに突入している恐るべし映画なのであった。

いずれにせよスタートレックシリーズは十分楽しめるお気軽アクション映画に進化していたのであった。


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