<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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もうかれこれ25年ほど前、沖縄県恩納村のリゾートホテルの建築工事で出張した私は初めての沖縄で文化の違いに度肝を抜かれてしまったのだ。
中でも食べ物の文化は本土とは随分違ってかなりのパーセンテージで舌が受け付けず、辟易としてしまった思い出がある。
今では素麺チャンプールや豚の角煮、ソーキそばなどは私の大好物になっているのだが、当時はどれもこれも初めて体験する味で大変苦労をしたのであった。

季節は6月。
大阪はまだまだ涼しいのに、沖縄は連日の猛暑で蒸し暑く、夕食のビールは絶対だった。
で、このビール。
驚いたことに沖縄で飲むとキリンビールもアサヒビールもサッポロビールもどれもこれも不味くて飲めず、
「これはいったいどういうわけか?」
と同僚と議論したのであったが、
「多分、沖縄の独特の蒸し暑さと料理にメジャーなビールが合わんのやろな」
という結論に達した。
この本土のビールとは裏腹に、地元の沖縄オリオンビールの美味かったこと。

驚いたことにオリオンビールは本土へ持ってきて飲んでも美味しく、沖縄文化の真髄を思い知ったのであった。

で、まずいといえば、沖縄で初めてコカ・コーラ社が販売するDr Pepperなる清涼飲料水を体験したことがあった。
大阪でも父の故郷の岡山でもDr Pepperなんか売っておらず、かといって全く知らないわけではなく、たとえばバリー・マニロウのLPの中に同飲料水のCMソングが入っていたりたので、どのような飲み物なのか関心があった。
ちょうど恩納村のよろづやへ(当時コンビニはなかった)ビールを買いに行ったところ、Dr Pepperを見つけたのだ。

「おお!あの伝説のDr Pepper。これは試さねばならん」

と迷うこと無く買い求めたのであった。
今でもそうだが、私は未知の味を体験するのは至上の楽しみで、このDr Pepperとの初めての遭遇は色々と想像をかきたてて、私の胸はドキドキと高鳴ったのであった。

で、一口飲んでみた。

その瞬間、それまでの人生の中で、飲んだことを後悔したものに十薬煎じ薬と青汁があったのだが、新たに一種類の清涼飲料水が追加されることになった。

「まっず~!これって味音痴のアメリカ人が多い沖縄やから売ってるのに違いない。二度と買うかい!」

と思ったのであった。
その味の取っつきにくさは言葉で表現できず、米軍用の飲み物、と考えなければ理解できないのであった。

先週、仕事で千葉の幕張メッセへ行ってみると、自販機にあの「Dr Pepper」を見つけたのだ。
千葉県人のテイストは米軍レベルなのか、それとも外国人が多数訪れる国際展示会場だから置いているのか。
東京ビッグサイトにもインテックス大阪にも置いていないので、謎は深まるばかりだ。

味わいたい人は、是非チャレンジしてみてください。
謎がきっと深まります。

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