「文学創造都市おかやま発『ちいさい物語』マガジン」である『うったて』(発行 岡山市、岡山市文学賞運営委員会)が創刊され、29日から岡山市役所などでの配布が始まっている。
この「うったて」の製作経過は、「岡山市文学フェス」のFacebookなどで知っていたが、手にしてそのクォリティの高さに驚いた。少なくとも無料配布の冊子のレベルではない。
今号はテーマが「商店街ラプソディ」となっており、坪田譲治文学賞受賞作家の乗代雄介の巻頭エッセイや同じく受賞作家の村中李衣さんの受賞作『奉還町ラプソディ』について語ったインタビュー記事なども抜群。読み応えたっぷりだ。岡山のまちの素晴らしさを改めて確認した。
とても魅力に満ちた文章があふれており、加えてその構成がなんとも素晴らしい。製作は(株)吉備人となっていて、その力量の高さにも感動する。
「坪田譲治文学賞」を制定する提案をした際に、当時の市教育長は市議会で「岡山市を童話のまちにする」との見解を示したが、40年近くの時を経て、岡山市はユネスコの「文学創造都市」に加盟し、「文学を核とした心豊かなまちづくり」を推進している。この「うったて」は、まさにそのシンボルともいえる冊子だ。
岡山市や公民館などの関係各機関に置かれている。是非とも、お読みすることをお勧めする。