全ての国家を揺るがした経済災害「全世界同時デフォルト」の発生とAIの驚異的な進化によって、計画的かつ持続化が可能になった戦争「サスティナブル・ウォー」が勃発。全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーら元公安9課のメンバーは、傭兵(ようへい)部隊としてアメリカ大陸西海岸での戦闘に参加し、類まれな戦闘スキルと電脳を活用しながら躍動していた。そんな彼らの前に驚異的な知能と身体能力を持つ「ポスト・ヒューマン」が出現する。
Netflixオリジナルアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』は、‘20年4月から全世界独占配信スタートということ、各キャラクターを含め、映像にいろいろな意見(批判的)があることも承知していた。過去作が作り上げてきたイメージがどうなるか、テレビ・PCではなく、大きなスクリーンではどう見えるか。批判するにも見ないことにはどうしようもない。修学旅行特編時間割で午後授業カットの12日、いつものMOVIXさいたま(県内唯一の上映館)で鑑賞した。
サスティナブル・ウォー
兵士ではないものには「弾が届かない」ように戦争を行う。これにより持続的な発展を図ろうとする。一種の経済的活動としての戦争。そんな戦場に「GHOST」として元公安9課のメンバーは参戦している。
そこで遭遇するジョン・スミス(米帝国家安全保障局ポスト・ヒューマン対策局トップ)から、ある作戦の遂行を要求される。彼らは否応なしにポスト・ヒューマンとの ”戦い” に巻き込まれていく。
ポスト・ヒューマン
電脳化を施した人間に重度な精神的、身体的ストレスが加わり、その結果、脳と電脳および肉体能力が飛躍的に向上し、驚異的な知能と身体能力を持つことになった人間のこと。
電脳化・ネットワーク化された世界で、ポスト・ヒューマンは超人的存在。でも、ロボットでもアンドロイドでもない。人間なのだ。
やっぱり安定の(元)公安9課のなかまたち
ものがたりについてはネタバレになるので書くことを避ける。CVのおかげで、想像以上にものがたり世界に没入できた。ビジュアルでは「これが少佐?草薙素子?」と思うけど、声が聞こえると「少佐だ、草薙素子だ」と思えるから不思議である。
でも...
GHOSTのメンバーは多かれ少なかれ義体化している。外見上「ヒト」ではない見え方をしてもいい。だから手描きセルアニメでなくPIXERのトイ・ストーリーのキャラクターのような-人工物的,傷のない-感じになってもいいのだと、理屈ではわかる。でも、だからこそ、電脳化以外はほとんど生身のトグサは、3DCGでも、もうちょっと見え方を考えなきゃダメな感じがした。
Netflixで制作・公開されたシーズン1の再編集である本作。シーズン2はどうなるんだろう。