●備忘録●
先月31日の「これは、法律に触れないか。」の続きである。
31日付読売記事によれば、件の「編集会議」案内文に、『「申請本をご覧になったご感想をお聞かせください」との記載』があり、『検定中の教科書を見せるつもりで招いており、参加した校長らも事前にそれを承知していた可能性がある』とのこと。
「校長ら」はわかって参加したと考えるのが自然かと思う。案内文を見ず(=内容を理解せず)出向いたということは、ちょっと考えにくい。
あくまでもネットで検索した範囲だが、11名の所属府県、参加時の職名はすでに判明している。埼玉県からの参加者は、地元埼玉新聞によれば川口市立の中学校で校長をつとめている。埼玉新聞と読売新聞の記事を比較すると、参加する段階で、「(実質的な)主催者」、「申請本の閲覧」について承知していたか否か、食い違いがある。これは、やはり問題である。
5万円を「謝礼」とするか「現金」とするか、新聞により違いがある。後者のほうが、イメージが悪い。
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文部科学省は、『(三省堂に問題があることは当然だが)参加した教員の側の認識にも問題がある』として全国の教育委員会に対し『教科書採択の公正性と透明性を確保するよう』緊急の通知を出した。数日中には県教委から、通知文の(写)が学校にも到着、校長先生が職員に話しをすることになるだろう。
一つはっきりさせなくてはならないことがある。今回の件、不始末は教員ではない。教員の側とひとくくりにされたくない。「編集会議」に参加したのは、小学校中学校の校長先生、教頭先生、某県の指導主事の立場にある者・管理職である。「ちゃんとしなさい」というのならば、まず校長先生は鏡を見てご自分を、そして教頭先生をご指導願いたい。もちろん僕たちも、教員の側だから言われることはしかたがない。
でも、いわれなくてもちゃんとする。あたりまえである。
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この件はまだしばらく落ち着くまでに時間を要すると思う。
こういうことがあると、教科書会社がサポートしてくれる、普通の研究会等に参加することが、難しくなる。教師の研修は、研究会参加だけがその機会ということではない。しかし、これらが重要なチャンスであることは間違いない。これらに参加することにまで、何らかの難しさが加わることは、迷惑千万で困ったことなのだ。教科書研究、教材作り、指導法改善に向けた努力にどれだけ邪魔になるか、影響を与えるか。考えると暗い気持ちになる。