昨年も取りあげたのだが、国立大学法人の設置する大学等の認可は公私大とは別の手順をとる。令和7年度開設予定の大学の学部、大学院研究科は以下の通り。
【凡例】
〇大学名
学部
学科(募集定員)
丸数字は文部科学省資料順である。大学院も同じ。
大学の学部の設置(1件)
①筑波技術大学(茨城県つくば市)
共生社会創成学部
共生社会創成学科(15)
筑波技術大学は、聴覚障害者が学ぶ産業技術学部(2学科,天久保キャンパス)と視覚障害者が学ぶ保健科学部(1学科2専攻+1学科,春日キャンパス)を設置している。
文部科学省の資料によると、産業技術学部産業情報学科から3、総合デザイン学科から2、保健科学部保健学科鍼灸学専攻から10定員を削減する計画。これが新学部の定員と見られる。既設学部廃止&新学部設置ではない。第3の学部設置である。
【凡例】
〇大学院名
研究科名
専攻名(募集定員,Mは修士課程、Dは博士課程)
大学院の研究科の設置(3件)
①群馬大学大学院(群馬県前橋市)
食健康科学研究科
食健康科学専攻(M4)
②大阪教育大学大学院(大阪府柏原市)
学校教育学研究科
共同学校教育学専攻(D4)
③大分大学大学院(大分県大分市)
理工学研究科
理工学専攻(M143)
理工学専攻(D6)
3研究科の4専攻。すべて「大学院設置基準第14条特例」(下記)の実施によるもの。
群馬大学は 共同教育、医、情報、理工、社会情報の5学部を設置している。それぞれの学部の上(で、いいのかな)には大学院もある。新設を計画している食健康科学研究科食健康科学専攻は、「食健康科学とは、医科学、保健学、食品科学、食品生産工学、環境科学を基盤とする学問領域」(同大ウェブサイトより)とのことだ。既設学部が直接的につながるものではないようだ。
なお、同大には付属機関として「食健康科学教育研究センター」という組織がある。
大阪教育大学大学院学校教育学研究科は、北海道教育大学大学院及び福岡教育大学大学院との共同教育課程。
同大学院には二つの修士課程がすでにある。一つは「教育学研究科高度教育支援開発専攻」である。心理・教育支援コース(10)、国際協働教育コース(20)、教育ファシリテーションコース(20)の3コース。カッコ内は募集定員,以下同じ。学位は修士(教育学)である。もう一つは「連合教職実践研究科(連合教職大学院)」で大阪教育大学、関西大学、近畿大学の3大学が連携、平成27年4月に連合教職大学院設置したもの。スクールリーダーシップコース(30)、援助ニーズ教育実践コース(30)、教育実践力コース(80)、特別支援教育コース(10)の4コース。学位は教育修士(専門職)である。どちらも大規模だと思う。学校教育研究科なので、前者の上につながるものだ。教職大学院に博士課程はない。
大分大学大学院理工学研究科は、現在設置の工学研究科を廃し、新設するもの。なお、学部は’17年に工学部から理工学部に改組されている。
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昭和49年文部省令第28号
大学院設置基準
第14条
大学院の課程においては、教育上特別の必要があると認められる場合には、夜間その他特定の時間又は時期において授業又は研究指導を行う等の適当な方法により教育を行うことができる。
(原本は漢数字である。)
’23-05-21
「令和6年度開設予定国立大学意見伺い一覧(令和5年4月)」
’24-04-17
「令和6年3月末申請の大学の学部等の設置等認可の諮問について(令和6年4月8日)」