ほぼ毎朝、掲示物をはり、連絡事項の板書をするために、朝のHR前に教室に行く。
だいたい、いつも一番に登校する生徒がA子である。A子の担任をするのは、1年生の時と今年で2回目。1年次から成績が優秀で、堅実な感じの生徒である。
『おはようございます。
『あ、おはよう。
『センセ、ちょっといいですか?
『はい。
『推薦入試の志望理由書、チェックお願いします。
A子は指定校推薦枠で出願する生徒。文面をサッと読んでみた。まあまあの出来。放課後まで預かり、読んでおくことにした。無事試験が終わり、3月には高校卒業。4月からはA子も大学生である。
なんとなく聞いてみた。
『卒業したら、まず何をしたい。
『う~ん。修学旅行で出かけた沖縄に行きたいかな。
『あとは?
『髪の毛染めてみたい...
ちょっとドキッとした。
18歳なんだ、成長したんだ...と思った。
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一部分フィクション・脚色を含みます。