中央教育審議会の教員養成部会が先月26日、今後の教員養成・免許制度の見直しについて、教員免許の更新制適用や専門性の高い教員を育成する「教職大学院」の創設などを柱とした答申案を大筋で了承した。7月の中教審総会で正式に決め、小坂憲次文科相に答申する。
教員免許は1度取得すると終身有効だが、最新の知識・技能を身に付けるため、現職を含む全教員に更新制を適用することが適当とした。免許の有効期限は10年間とし、期限満了の2年間に最低30時間の講習を義務付ける。
…ここまではある程度知っていたことだけど、この次はちょっと問題である。
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教育実習の改善策として、学生の母校での実習を避ける。
…だから、頭の中でしか考えることができない集団は困るのである。
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現在でも教育実習先が見つからない大学生がいる。
中学校でも高校でも引き受けてもらえなくて、困っている現実がある。英数国理社ですらそうである。一校一人の芸術、養護教諭の実習等は本当に大変である。母校ですら引き受けてもらえない。引き受けることができる人数にも限度がある。また、高校の場合、普通科高校卒業生が専門学科(商業・工業・農業)の教育実習をしようと思えば、そもそも母校に行くことはできない。
今でも実習先を探すのは大変なのである。現在のシステムで母校ですら引き受けられないものがいる。実習希望の学生がすべて、出身校以外の実習先なんか見つかるものなのか。それは無理だろう。
実習希望者を教育委員会にでも登録して、教育委員会が適当に振りわけることになるのならかまわないが、できるのか。やってくれるのか。
そもそも、母校での実習は、「通過儀礼」になりがちだとほざいたバカがいたそうだ。(中教審の協力者グループ)
このグループは自分の出身校で一定期間教壇に立つ「母校実習」をできるだけ回避するべきとする検討結果をまとめ、報告した。「母校実習」は実習内容の検証や評価が甘くなりがちで、通過儀礼と化しているとの指摘があった。教員の資質向上が求められるなか、「教育実習」を内実あるように改善充実させることを求めた。
バカ。どこの世界にOBOG以外を教壇に立たせて、現役生徒に迷惑をかけることを喜ぶ教師がいるもんか。
検証や評価が甘い。ふざけるな。そんなレベルのものじゃない。みんなへたくそである。そこで学ぶことがあり、必死に実習をして、それでもないたい人間が先生になるのである。そうして先生は生まれ、育っていく。現在教壇に立っている人間がすべてそうである。それがわかっているからこそ、3週間も大学生を預かって、実習をさせているのである。
中教審の協力者なる集団がどの程度教育実習に出かけているかは知らないが、こんなことを言える身分なのか聞いてみたいものだ。
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現在大学進学率が高卒者の50%を越えるといっても、教育実習をしたがる学生の数はそんなには多くないのである。残念ながら教育実習受入数は、県立高校の場合ではおそらくそのアカデミックレベルにだいたい比例している。僕の聞き及ぶ範囲でしかないが、やっぱり勉強のできる生徒の多い学校の方が、大学進学数も多く、教育実習希望者も多くなる。そうでない学校が、関係ない人間の実習をどれだけ引き受けてくれるのか。人数制限ができれば、教員免許をめざす数が結局減少する。煩雑さが増せば、どうなるか。教員志望が将来的に減ることが予測できる。それでも乗り越えて教員をめざせというのは、お利口さんの机上の空論とはいわないが、誤った根性主義のような気がする。参入障害だろう。僕は多様な経歴(出身学校)を持つ教員集団の方が、特定の大学出身者に偏る教員集団よりもbetterであると信じている。集団を生む母体を小さくするのは間違いである。教育実習がしにくくなるのは問題である。
もう一度繰り返す。教育実習を母校以外で行わせるのは現実を知らないお利口さんのおばかな間違いだろう。