カリスマを前にしても従順になるとは限らない。

「Ｆ・Ｇ・Ｃｌｕｂ」最新話についての内情を、ネタバレにならないように。（それほど気にされてもいないだろうけど）


龍弥が「手招き」をする場面がある。
掌を上に向けて、中指と薬指と小指だけを軽く握り、人差し指をだけを動かして他人を呼ぶ仕草をしている。
「指招き」とも言えるかもしれないが、そうそう造語を使っても「？」と思われてしまうので、ストレートに書いてみた。


よくある行動でも名前がないと、文章にするのは難しい。



あと、そうやって軽く招いただけで龍弥の前にやって来た男子達。
カリスマ性のある者を前にするとついつい従いたくなってしまうのは、好きな芸能人を目の前にしたファンの心理とよく似ているかもしれない。


だけど、どんなにカリスマ性のある者でも男子から見た龍弥は立場のある親や教師ではなく、権力のある大人でもない「クラスメイト」。
力ずくで無理やり引っ張られたわけでも弱味を握られたわけでもないのだから拒否しようと思えばすることも可能だったろう。


それでも拒否をしなかったのには理由がある。


その理由に、龍弥のカリスマ性はあまり関係ない。
確かに「カリスマ」にはつい従ってしまうものだろうけど、冷静になれば結構抑えは利くものである。


では何が理由なのか。



答えは「強さ」。
重いものを持ち上げられるとか、格闘技に連戦連勝とか、打たれ強いとか、そういう身体的なものだけではなく、めげない・諦めない・くじけないといったような内面的なものだけでもなく、「しょうがないな。行ってやるか」と思わせるような雰囲気を兼ね備えた「柔らかい強さ」が龍弥にはあるからである。


ちなみに同じことを武蔵がやった場合、相手の数が７人だとしたら５人ぐらいしか来ないだろう。

虎華が同じことをやった場合、相手の数が７人だとしたら２人ぐらいだろう。


だけど武蔵にも虎華にも、もちろんすずめにも「強さ」がある。
誰かが持ち得ないような強さを誰かが持っている。


だから「絆」が生まれる。
かと言って「４人だけ」の閉鎖的な関係ではないのは、視野が広いからだと思う。