tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

A Single Frame

2020-08-22 19:19:43 | 日記

日本では未公開の映画「a single flame」。2015年アメリカのドキュメンタリー映画だ。

コソボは旧ユーゴスラビア時代セルビア共和国の自治州。1989年に共和国側が自治権を縮小。90年代に連邦治安部隊とゲリラ組織「コソボ解放軍」を中心とするアルバニア系住民との武装衝突に発展。
この紛争の際に、フランスの女性フォトジャーナリスト、Alexandra Boulatが撮った一枚の写真。そのフレームには紛争の悲惨さに苦しむ難民の男の子の表情が映し出されていた。

1998年3月に、ドレニツァという村がまるごと破壊され、住民のほとんどが殺されているのが発見された。その年の5月にはドゥカジンという村で。1999年に入ると、レチャクという村のはずれで、子供も含む数十人が、死体で発見された。セルビア軍による無差別殺人か?コソボ解放軍の自作自演なのか?
映画は彼女の写真の足跡をたどる旅だ。

1999年に行われた北大西洋条約機構(NATO)によるアライド・フォース作戦。この間、NATOはユーゴスラビア軍や民間の標的に対して攻撃を加え、アルバニア人勢力はユーゴスラビア軍との戦闘を続け、コソボにおいて大規模な人口の流動が起こった。

ただ、ぼくらはこうした西側のセルビア悪玉論も過ちであることに気づかされてもいた。西側報道はあまりに一方的な善悪二元論で絶対的な悪者を作り上げていた。

たとえ砲火の下でも、人々は食べ物を手に入れ、仕事を探し、子どもたちは遊びを見つけ、みんなわずかな休息の中で友との会話や、恋や、歌や、ダンスを楽しみ、たくましく生き抜いた。
写真を撮った女性フォトジャーナリスト、Alexandra Boulatは2007年にクモ膜下出血で亡くなった。

A Single Frame - Trailer