山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

入笠山(その3)

2009-07-01 | 長野の山

宿泊する入笠小屋は湿原から10分ほどのところにありました。
ここに入って昼食にしました。
なかなか立派な小屋です。
小屋の右奥にはズミが真っ白に咲いていました。


テングクワガタ

ザックを軽くして入笠山に登ることにしました。
足元に小さな花が咲いていました。
テングクワガタです。
背丈が10~20cmくらいで花の径は1cm以下です。
小さい花ですが、よくみるとかわいい顔をしています。
花が終わって出来る実がカブトに似ているので、ついた
名前のようです。
本州の中部以北~北海道に分布しています。

シロバナエンレイソウ

シロバナエンレイソウを見つけました。
別名:ミヤマエンレイソウといいます。
ユリ科の植物です。
エンレイソウは褐紫色の花を咲かせますが、これは白い花です。
花が終わると丸い実が1個できます。




しばらく歩くと入笠山の登山口がありました。
最初はなだらかな道です。
まだまだ新緑がきれいでした。

サンリンソウ

登山道の脇に白い花が群生していました。
サンリンソウです。
イチリンソウに葉っぱがよく似ていますが、花がイチリンソウ
より小さく住んでいる場所が違います。
イチリンソウやニリンソウは平地で咲いていますが、サンリンソウは
1500m以上の亜高山帯で咲いています。
3輪咲くことが多いのでついた名前のようですが、咲いている花は
ほとんどが1輪なのでよくイチリンソウと間違えられるようです。
花を識別する時は標高も考慮しなければなりません。
やはり本州中部以北~北海道に分布しているようです。


ミヤマザクラ

ミヤマザクラが咲いていました。
ここにはズミが多いので、よく見ないと間違えそうです。
ズミとは葉っぱが違います。
ミヤマザクラはかなり遅く咲く野生のサクラです。
今年最後のサクラでした。


ツマトリソウ

ツマトリソウの双子です。
ツマトリソウは必ずといっていいほど花弁が7枚あります。
これはまだ花弁の縁がうっすらとピンク色をしていました。
仲良く微笑んでいました。


オオヤマフスマ

この花は湿原以外でも咲いています。
小さな花ですが、歩いているとどうしても目に止まります。
この花は全国に分布しているようです。




小屋から45分で頂上に着きました。
頂上直下にはかなりの急登があります。
そこでかなりバテていた人もいました。
ここは標高が2000m以下ですが、山に慣れていないと
高山病になる人もいるようです。
山で気分が悪くなる現象を「山酔い」と呼んでいます。
このような人は平地に降りれば元気になります。




頂上はかなり広く360°の展望が楽しめます。
この日は生憎雲が多くて遠くの山が見えませんでした。
晴れていれば日本百名山のうち34の山々が見えるそうです。
入笠(にゅうがさ)ではなく入笠(にゅうかさ)と濁らないようです。
わざわざ「ひらがな」が書いてありました。


大阿原湿原

小屋に入るにはまだ時間もあり、翌日の天気も悪そうなので
翌日歩く予定だった大阿原湿原を散策することにしました。
ここは入笠山から30分くらいのところにあります。
約40分くらいで1周できそうです。



この湿原もかなり荒れている印象でした。
湿原というより乾燥期に入っているような感じです。
ズミがたくさん咲いていました。
雲がかなり低くなっていましたが、まだ大丈夫なようです。
これから湿原を1周します。



◎付 録

富士山の山開き


今日、7月1日は富士山の山開きです。
これは6月28日、南八ヶ岳の権現岳頂上(2715m)から撮った
富士山のようすです。
山梨県側からですが、頂上付近にかなり多く雪があるのがわかります。
昨日の発表では小屋の関係者が除雪したにもかかわらず、8.5合目の
御来光館の小屋(3450m)までしか登頂できないそうです。
下山道も雪崩や落石の危険があるので、当面登山道を共用するそうです。
静岡県側からは3年連続登頂できないことが決まっていて、山開きに
登頂できないのは97年以来12年ぶりだそうです。

富士山も毎年登山者が多くてかなり荒れているようです。
夏は日影もなく、頂上が近くなると高山病でダウンしている人を
たくさん見かけました。
無理をせず自分に合った登り方をして欲しいと思います。
登られる方は最新の情報をよく確認してから出かけてください。