◆「頤和園①」現存する世界最大規模のロイヤルガーデン(王朝庭園)、それが中国の北京にある「頤和園(いわえん)」。北京市中心にある故宮から北西に10kmに位置している。約3平方kmという広大な面積(その3/4を半人造湖の「昆明湖」が占めている)に、大きな湖と100以上の美しい建物を備えており、河北省承徳の「避暑山荘」、江蘇省蘇州(そしゅう)の「摂政園」や「留園」とともに中国四大名園のひとつとされている庭園。1998年、世界文化遺産となる。
午後にどこに行こうか考え、「頤和園」に行くことにした。ホテル近くの「地下鉄・建国門駅」から「頤和園」に向かう。途中、「北京大学東門駅」などを通過して、30分ほどで「頤和園」に行く駅に着く。「頤和園」は広大なため、もよりの地下鉄駅は2つあった。駅に到着し、頤和園までの道を15分くらい歩く。ここもライラックの花が並木となっていて美しい。バイオリンを弾いている老夫婦があった。連休とあって大勢の人が入園券売り場に並んであふれている。大きな歴史的門をくぐって「頤和園」に入る。広大なので、園全体を見学をするのには丸一日はかかるという。
頤和園を進んで行くと「麒麟」の像があった。「麒麟」は、鹿の角、龍の頭、獅子の尾、牛の足からなり、全身は鱗(うろこ)。中国の伝説では、「善悪を見分けられる仁獣」で、吉祥と威厳を表すとされる。中国の人が美意識を感じるという「奇岩」がいたるところに配置されている。
「徳和園」という建物のエリアに入る。なんと華麗な中国風の立派な建物なのだと思うものが目の前に現れた。ここは、「京劇など」の舞台を演じる舞台が一階部分に設置されていた。
この立派な建物に面する別の建物にいくつかのベットなどが置かれたへやがあった。このベットに寝そべって京劇などの演舞を、皇帝や皇后などが見たのだろうか。たくさんの観光客のため、園内の女子トイレは建物に沿って曲がりくねった「トイレ待ち」の長蛇の列が50mほどできている。古風な着物姿の若い女性。建物の壁面には「化粧をしている女性」の古画などが見える。
門を出て、さらに進む。別のエリアに入ると、大きな「木蓮の白い花」が満開。また、別の場所に行くと桜の花が咲いていた。女性が小さな門の前で、ポーズをとっての写真撮影。ここもライラックの大きな木に花が咲いている。重厚な建物群が続く。
紫色の花が満開の木蓮。大きな建物の前には巨大な岩石の「奇岩」。欧米からの観光客もかなりたくさん見られる。湖に沿った長い廊下は、いったいどこまで続くのだろうか。700m以上はあるという。この廊下の梁には、人物・花鳥風月などの山水・歴史・古典文学・風景・神話などが1万4千点あるという。廊下の山側には小川があり、橋が架かっている。小川のに沿って また 奇岩が連なる配置。この「奇岩」に美を感じる感覚は、おそらく日本人には理解がむずかしいものの一つだ。自然観の違いとしかいいようがない。
「山水」の古画が建物の壁にみえる。色が剥げ落ちているが、中国人の理想郷が「山水」の世界。小さな遊覧船が湖にたくさん浮かんでいる。山の方を少し登る。レンギョウの黄色い花が美しい。薄い紫の花を咲かす野草の群れ。八重桜の花も咲いていた。
古風で重厚な屋根が続いている建物群が見渡せる。綺麗な八重の桃の木。日本人が「桜」なら、中国の人は、この「桃の花」というものが もっとも好む国民的な花なのではないだろうか。(※「頤和園」次回に続く)