彦四郎の中国生活

中国滞在記

最近の「日本への留学生」「日本から海外への留学生」の動向―4月25日深夜、中国・福州に戻る

2017-04-30 10:43:52 | 滞在記

 中国へ戻る前日の24日(月)午後3時すぎ、京都市内の四条・三条界隈に行った。丸善書店に立ち寄り、中国で読む本を何冊か求める。京の台所の一つ「錦市場」に行く。外国からの観光客でにぎわっていた。英語で応対している店の人の姿もある。この日の夕食で妻と食べる「小浜の焼き鯖」や京漬物を買う。錦天満宮に行き、「おみくじ」を買う。四条大橋に行くと、鴨川べりで「床どこ」が組まれ始めていた。5月1日から営業を始めるようだ。夏が近いと感じる京の風物詩。

  四条大橋にほど近い京漬物の老舗「村上重本店」に行く。玄関の藤の盆栽、店内の牡丹(ぼたん)の生け花が美しい。店の前にある高瀬川の八重桜。まだ花を咲かせていた。着物姿の外国からの観光客などの姿もまだ多いこの季節の京都の街。

 学生時代からよく行っている喫茶「築地」。いまでも1・2階の全席「喫煙可」という店だ。喫煙愛好者にとっては貴重だな。夕方7時ころに住まいのある八幡市に戻る。「石清水八幡宮」の「一の鳥居」から見える男山(御山)に向かって頭をしばらく下げて「中国生活」での無事を祈る。

 ―最近の「日本への外国人留学生」「海外への日本人留学生」の動向―増加する外国人留学生

①日本一時帰国中、3つの大学と4つの日本語学校を訪問したが、最近の日本への外国人留学生の動向はどのようになっているのだろうか。政府の調査機関が毎年5月1日に「日本への留学生」を発表している。これによると、平成28年度(2016年度)の留学生数は、239,287人。前年の平成27年度(2015年度)より30,908人増加(14.8%増加)となっている。平成29年度(2017年度)の今年は、さらに増加しているだろう。➡※前年比、約3万人の留学生の増加

②2016年度・留学生の内訳は次のようになっていた。1、大学院生 43,478人(前年比2,082人増[5.0%増])  2、大学(学部)生 72,229人(前年比4,757人増[7.1%増])   3、短期大学生 1,530人(前年比116人増[8,2%増])  4、高等専門学校生 564人(前年比45人増[8.7%増])   5、専修学校(専門学校)生 50,235人(前年比11,581人増[30.0%増])  6、準備教育課程生 3,086人(前年比476人増[18.4%増])  7、日本語教育機関(日本語学校)生 68,165人(11,845人増[21.0%増] ➡※特に、日本語学校・専門学校・大学(学部)の増加が目立つ。(日本語学校も専門学校も、それぞれ前年比約12,000人の増加)

③留学生の93%(22,2627人)はアジアから来ている。アジアからの留学生数は、前年の193,172人と比べるとその増加がとても大きい。➡前年比、約3万人の留学生増加はアジアからの留学生の増加ということ。

④留学生の「国別」の内訳のベスト10は次のようになっている。1、中国  98,483人[41.2%](前年の94,111人より増加)   2、ベトナム 53,807人[22.5%](前年の38,882人より大幅増加)  3、ネパール 19,471人[18.7%](前年の16,250人より増加]  4、韓国 15,457人[6.5%](前年の15,279人よりやや減少)  5、台湾 8330人[3.5%](前年の7,314人より増加)  6、インドネシア 4,630人  7、スリランカ 3,976人 8、タイ 3,842人  9、マレーシア 2,734人  10、アメリカ(USA)  2,684人  ➡中国と台湾(中国語圏)からの留学生が全体の約45%を占める。ベトナムからの増加が著しい。 また、留学生の男女比率は、男性55.8% 女性44.2% となっている。

⑤日本での地域別外国人留学生の割合は次のようになっている。 1、関東 55.6% 2、近畿 16.7% 3、九州 11.0% 4、中部 8.3% 5、中国 3.8% 6、東北 2.5% 7、北海道 1.4% 8、四国 0.7% ―外国人留学生が1万人以上在籍している都道府県は、1、東京都 92,534人  2、大阪府 18,411人  3、福岡県 15,755人  4、京都府 10,553人  5、千葉県 10,144人―   ➡東京都を中心とする関東が圧倒的に多い

⑥2016年4月14日の日本学生支援機構の発表によれば、平成26年度(2014年度)[少し前だが]海外への日本人留学生(短期・中期・長期)は次のようになっている。留学生総数は、52,132人。(前年の45,082人より増加)   その留学先の国別内訳は、1、アメリカ[USA]  12,434人   2、オーストラリア 5,170人  3、カナダ 4,890人  4、イギリス 4,262人   5、韓国 4,217人   6、中国 3,477人 等となっている。➡英語圏への留学が多い。中国やベトナムなどのアジアへの留学の増加が今後増えてもらいたいと思う。また、留学生の男女比率は、男性が37% 女性が63%と 女性の留学が多い。(男性が内向きになっていると言われている)

 海外への日本人留学の大学別では、1、関西外国語大学 1,884人  2、早稲田大学 1,826人   3、立命館大学 1,299人   4、関西学院大学 882人  5、同志社大学 826人 6、明治大学 793人 7、上智大学 755人 8、慶応大学 734人 など私立大学が上位を占めている。国公立大学では、千葉大学の596人が最も多く、大阪大学と広島大学の571人が続いている。

◆4つの日本語学校を訪問して担当者からいろいろ留学生事情や日本語学校の教員採用状況などについて伺った。それによると、「ここ2〜3年は、教員採用(非常勤講師など)に関しては 買い手市場から売り手市場に完全に移行しています。留学生の増加が一番の大きな要因です。それに加えて、大手の大学受験塾や予備校、学習塾などが、日本人の少子化により 入塾生が減少傾向にあるため、増え続ける海外からの留学生をターゲットに 新たに日本語学校を開校経営する動きが最近始まっているからです」とのことだった。

◆日本政府は現在「留学生30万人計画」方針をもっている。現在の海外からの留学生は約24万人。今後も増えていく可能性が大きい。(日中関係の緊張関係の変化によって多少はその増減は影響を受けるだろうが、中国国内の学生たちの将来への進路希望は あきらかに留学希望者が増える傾向にある。少なくてもこの流れは ここ10年間は変わらないと思われる。)

 理由は、中国人の中間層のますますの増大と中国国内での就職活動の厳しさがある。ただ単に有名・レベルが高い大学を卒業したというだけでは 自分の専門を生かす仕事への就職がなかなか難しい。日本人が考える以上に就職競争が激しいのだ。なにせ、毎年750万が大学を卒業する(日本の15倍)のだ。仮に100人をある会社が募集をしたとすると、「日本で200人の学生が応募したとすれば、中国では3000人が応募」することになる。採用に至るには超難しい。また、全国100番目以内レベルではない多くの大学卒業生にとっても 有名大学への留学というキャリア・学歴アップは喉から手が出るほどほしいものだ―将来への願望が強い学生にとっては―

 4月25日(火)、午後7時半発の飛行機に乗るために、午後3時f半前に自宅を出る。大阪湾にかかる長い海上橋にさしかかり、関西空港が見えてきた。「ああ、また中国に戻るんだなあ--。あの少々辛い我慢の生活が始まるんだなあ--」と一抹のさみしさもよぎる。関西国際空港は、「桜の花も終わったこの季節に なぜこんなにも多くのアジアの国々に戻る乗客が--」と思える長蛇の列。

 時刻を少しだけ遅れて「関西➡中国・福州行」の厦門(アモイ)航空便が離陸した。約3時間と少しの飛行。飛行機内に、飛行ルートが示される。瀬戸内海を横切って九州を横断し東シナ海上を飛ぶ。中国時間午後10時前(日本時間午後11時前)に福州長楽空港に着陸した。アパートには ようやく深夜12時過ぎに着く。3時間ほど眠って、8時半からの大学での授業に間に合うように 午前6時半にアパートを出た。