彦四郎の中国生活

中国滞在記

北京へ行く❷―中国王朝文化最後の華、巨大なロイヤルガーデン「頤和園(いわえん)」①―

2017-04-11 21:43:43 | 滞在記

 ◆「頤和園①」現存する世界最大規模のロイヤルガーデン(王朝庭園)、それが中国の北京にある「頤和園(いわえん)」。北京市中心にある故宮から北西に10kmに位置している。約3平方kmという広大な面積(その3/4を半人造湖の「昆明湖」が占めている)に、大きな湖と100以上の美しい建物を備えており、河北省承徳の「避暑山荘」、江蘇省蘇州(そしゅう)の「摂政園」や「留園」とともに中国四大名園のひとつとされている庭園。1998年、世界文化遺産となる。

 午後にどこに行こうか考え、「頤和園」に行くことにした。ホテル近くの「地下鉄・建国門駅」から「頤和園」に向かう。途中、「北京大学東門駅」などを通過して、30分ほどで「頤和園」に行く駅に着く。「頤和園」は広大なため、もよりの地下鉄駅は2つあった。駅に到着し、頤和園までの道を15分くらい歩く。ここもライラックの花が並木となっていて美しい。バイオリンを弾いている老夫婦があった。連休とあって大勢の人が入園券売り場に並んであふれている。大きな歴史的門をくぐって「頤和園」に入る。広大なので、園全体を見学をするのには丸一日はかかるという。

 頤和園を進んで行くと「麒麟」の像があった。「麒麟」は、鹿の角、龍の頭、獅子の尾、牛の足からなり、全身は鱗(うろこ)。中国の伝説では、「善悪を見分けられる仁獣」で、吉祥と威厳を表すとされる。中国の人が美意識を感じるという「奇岩」がいたるところに配置されている。

 「徳和園」という建物のエリアに入る。なんと華麗な中国風の立派な建物なのだと思うものが目の前に現れた。ここは、「京劇など」の舞台を演じる舞台が一階部分に設置されていた。

 この立派な建物に面する別の建物にいくつかのベットなどが置かれたへやがあった。このベットに寝そべって京劇などの演舞を、皇帝や皇后などが見たのだろうか。たくさんの観光客のため、園内の女子トイレは建物に沿って曲がりくねった「トイレ待ち」の長蛇の列が50mほどできている。古風な着物姿の若い女性。建物の壁面には「化粧をしている女性」の古画などが見える。

 門を出て、さらに進む。別のエリアに入ると、大きな「木蓮の白い花」が満開。また、別の場所に行くと桜の花が咲いていた。女性が小さな門の前で、ポーズをとっての写真撮影。ここもライラックの大きな木に花が咲いている。重厚な建物群が続く。

 紫色の花が満開の木蓮。大きな建物の前には巨大な岩石の「奇岩」。欧米からの観光客もかなりたくさん見られる。湖に沿った長い廊下は、いったいどこまで続くのだろうか。700m以上はあるという。この廊下の梁には、人物・花鳥風月などの山水・歴史・古典文学・風景・神話などが1万4千点あるという。廊下の山側には小川があり、橋が架かっている。小川のに沿って また 奇岩が連なる配置。この「奇岩」に美を感じる感覚は、おそらく日本人には理解がむずかしいものの一つだ。自然観の違いとしかいいようがない。

 「山水」の古画が建物の壁にみえる。色が剥げ落ちているが、中国人の理想郷が「山水」の世界。小さな遊覧船が湖にたくさん浮かんでいる。山の方を少し登る。レンギョウの黄色い花が美しい。薄い紫の花を咲かす野草の群れ。八重桜の花も咲いていた。

 古風で重厚な屋根が続いている建物群が見渡せる。綺麗な八重の桃の木。日本人が「桜」なら、中国の人は、この「桃の花」というものが もっとも好む国民的な花なのではないだろうか。(※「頤和園」次回に続く)

 

 

 

 

 


北京へ行く❶―「於:北京 中国の大学・日本語学科教員教育実践交流会」での報告参加―

2017-04-11 14:31:30 | 滞在記

  4月1日(土)〜4日(火)まで、北京へ行った。この時期、中国は4日(火)が清明節(※日本のお盆のような日で、先祖の霊を祀る)となるため、1日~4日までの4日間の連休となる人が多い。3日(月)は大学の授業日となっていたが、その日の授業を1日(土)に実施と通達があった。自分の「その日の授業」を別の日に振り替えてすでに授業を実施していたので、1日に北京に向かった。毎年、3月か4月に行われる、派遣元の「財団法人・日中技能者交流センター(日本側)と中国外国専家局(中国側)」が主催する「北京実践交流会」に今年は 同僚の鈴木先生とともに参加することとなった。

 福州長楽空港を昼の12時に出発予定だったが、1時間ほど飛行機の出発が遅れた。待ち時間の間、喫煙室に行ったり小さな書店にいったりして時間を過ごしていた。書店には東野圭吾の本が何冊も置かれていた。「半島危局」と題した雑誌も置かれていた。朝鮮半島を巡る状況の危機状況を特集していた。しゃれた品のいい茶館の店。

 北京は、緯度的には日本の秋田・青森あたりとほぼ同じ。市内の中心地の天安門広場から70kmあまり北方に行くと「万里の長城」があり、北京市の西・北方面には2000m以上の山々が連なる。

   1時間遅れで午後4時過ぎに北京国際空港に到着。午後6時までに宿泊及び実践交流会の場となるホテル「外国専家大厦」にて受付をしなければならないので、空港からの北京地下鉄を乗り継いでホテルに向かう。北京オリンピックのオリンピックスタジアム(通称・鳥の巣)が見えてきた。この日、北京の空気はきれいだった。桜の花が咲いていた。ホテルに15分遅刻で到着。部屋に入り、食事のホールに向かう。中国赴任の同期の永井さんと久しぶりに乾杯をし、御馳走を食べた。食事後、私の部屋で 交流会参加者の他の男性たちにもきてもらい、酒を飲みながら いろいろな話題を話し込む。

 翌日の4月2日(日)、午前9時から「実践交流会」が始まった。参加者は13人ほど。日中技能者交流センター事務局長の新井さんの報告のあと、2時間あまり「笈川幸司(おいかわこうじ)」氏の記念講座があった。とても参考になる講座内容だった。笈川氏は1970年生まれの現在46才。2001年より中国の大学(北京大学・清華大学など)で教鞭をとり始め、「中国でのカリスマ日本人教員」として有名な人だ。現在までに中国の88都市の350余りの大学で講演を実施、中国以外では27か国45都市で講演をしている。2010年に「中国に勝った100人(AERA)」に選ばれた。また、2016年には 「外務大臣表彰」を受賞している。

 午後1時半より、烟台大学(えんたい)の宮地さんの報告。次いで 私が報告をした。報告時間は30分間ほど。笈川氏も交えて 報告を踏まえての 実践交流会が午後5時45分まで行われた。

 午後6時より、中国外国専家局のメンバーなども含めて「激励親睦」の宴会が2時間ほど行われた。宴会終了後、昨夜に引き続き 男たちが 私の部屋に集まり 飲みながら話す。

 4月3日(月)の朝、太陽が昇った北京の朝。窓からは少し汚れた北京の街が見える。この日は軽度空気汚染(pm2.5)の予報が出ていた。テレビを見ていると、北京でも今 桜が咲いているようだ。朝食を食べた後、みんなに別れを告げてこの日宿泊するホテルに向かう。ホテル横の建物の前には「白い木蓮」の花が満開となっていた。軽度のpm2.5のため この日のオリンピックスタジアム(鳥の巣)は霞んで見えた。

 地下鉄に入場する際は必ず荷物検査がある。荷物の中にスプライト1本を入れていたが、検査官の若い女性が「液体は持ち込めないので、ここで全部飲んでしまって」と言う。そんなん、飲めないよと困った顔をしていたら、「まあ、いいでしょう」と通してくれた。

 午前11時頃、この日宿泊する「長富宮飯店(北京ホテルニューオータニ)」に着く。ライラックの紫や白の並木が美しい。このホテルは、同僚の鈴木先生が予約してくれた。万里の長城へのツアーがこのホテルで予約でき、日本語が分かるスタッフが常駐しているホテルらしい。あいにく、中国の連休にあたり 午後からの万里の長城行きの予約はできなかった。残念だがしかたがない。バスやタクシーで行っても、この日は 万里の長城行きの時間が 大渋滞のため通常の1.5倍で往復だけでも5時間以上はかかるというので 今回は諦めた。

 ホテルがある建国門駅の近くに城壁のようなものがあったので行ってみた。桃の花が満開だ。ここは、「北京古観象台」という場所だった。1442年の明の時代に造られたものらしい。清の時代にも気象台として使われていたようだ。

 部屋に戻り、しばらく休みながら「午後は、どこに行こうか」と考えた。