長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

オリンピック・・アベベ チャフラフスカ?

2012-07-22 08:25:57 | Weblog
今、ラジオで「オリンピックファンハーレ」の特集みたいなものが流れている。
さきほど、東京オリンピックの懐かしいファンファーレが流れた。
この世に生を受けたばかりだった家人は、まったく記憶にないらしい。
「アベベをしらんの?」というと、「うん」という。あうんとは、次元の違う会話。

ぼくは、小学校に入ったばかりで、中央町にあった「まるぶつデパート」の家電売り場で
見た。見た記憶よりも、ファンファーレに圧倒されて、子供ながらに「希望」みたいな
ものが体中にひろがっていったのを、昨日のことのように覚えている。
まるぶつデパートには、そのころどこのデパート(といっても、北九州には、井筒屋デパートと
まるぶつデパートしかなかった)でもそうなように、最上階に大食堂があって、そこのホットケーキ
の味が忘れなれないし。その後の人生で、それに見合うようなものと出会っていない。

中央町というのは、八幡製鉄所の本事務所(今でいう、本社)があった場所で、「鉄の町」
の中心地だった。1902年にできた製鉄所を祝う企業祭というのが11月にあって、学校も
休んで、賑わっていた。まるで田んぼの真ん中に温泉がわいたり、うらぶれた下町に男根みたいな
タワーがたったような感じだったのだと思う。洞海湾という海は、魚影豊かな小さな漁村だったのだから。
そんな華やかなデパートがある通りを二筋ほど上がる(方向音痴なので、東西南北があっきりしない)
ところに、「喫茶ジロウ」という喫茶店があった。誰といったかは記憶にないが、そこのウインナー珈琲
を飲んだのが、珈琲の初体験。きれいな女店主が、白い指で雪白均窯変のカップに大小の角砂糖を入れ、そこに
琥珀色の液体を注ぎ、冷蔵庫からボールをだして、スプーンでホイップクリームを上手に浮かべる。その
一連の所作の美しさといったら、この世に生れて10年くらいしかたっていなかったけど、別世界だったような
気がする。

あ、いけない。まだ準備ができていない。お店にいかねば・・・
今日は、こっそりウインナー珈琲でもつくってみよう。
やはり、ウインナーは、粗挽きがいい。なんて書くと、ビールの
つまみのほうを想像する世代の人もあまたいるかも。
「アベベ」も「ボボブラジル」も、遠くなったけど、あのあこがれの「レスカ」も
「なんですか?」という質問も多い今日このごろ。