MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

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翻訳研究の博士論文

2008年03月29日 | 翻訳研究
佐藤美希さんより学位論文『英文学翻訳の「翻訳規範」に関する一考察:『英語青年』誌に見られる英文学研究及び社会思潮との関係から』を頂く。これはこの3月、北海道大学大学院国際広報メディア研究科に提出されたもの。日本語で書かれたTranslation Studiesの博士論文としては初めてのものではないか。研究課題は「明治以降、現在に至るまで、英文学がどのように翻訳されるべきだと考えられてきたのか(=いかなる翻訳規範が形成されていたのか)、英文学研究との関連、また時代や社会的コンテクストとの関連から系譜学的に明らかにする」というもの。章立てだけ挙げておく。序章「問題の所在と研究目的」、第1章「翻訳研究(Translation Studies)と翻訳規範」、第2章「明治・大正期の英文学翻訳、英文学研究、社会思潮」、第3章「昭和前半の英文学翻訳、英文学研究、社会思潮」、第4章「昭和後半の英文学翻訳、英文学研究、社会思潮」、終章「仮説の検証」となっている。第3章の一部をもとにした論考がすでに『翻訳研究への招待2』に掲載されているので、読んだ人は大体のイメージを描けるかと思う。英文学に対象を絞っているが、日本の翻訳のノームをこれだけ広汎に分析した論文は存在しなかった。資料的価値も高く、同様の関心を持つ人にとっては重要な先行研究になるだろう。個人的には『英語青年』に掲載された多くの論考はもちろんだが、特に昭和後半の様々な翻訳に関する動向の記述が大いに参考になる。日本の翻訳研究が急速に成長している印象を強くする。できれば公刊されて広く読まれてほしい。

今年の桜

2008年03月29日 | 雑想
今年は近場の小石川は播磨坂(桜坂)の桜です。これはおとといの夕方。真ん中にいる男性は赤の他人です。ライトアップよりはこの程度がいいんじゃないかな。