MITIS 水野通訳翻訳研究所ブログ

Mizuno Institute for Interpreting and Translation Studies

お知らせ

来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。

『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。

『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。

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新刊案内3点

2005年12月13日 | 

忙しくて新しいエントリーもままなりませんが、少しだけ新刊紹介を。

稲生衣代・ 河原清志(2005)『VOAスタンダード 「シャドーイング」と「サイトラ」で鍛える ニュース英語トレーナー 』コスモピア)。前著『VOAスペシャル やさしい英語トレーナー』に続いて、今度は中・上級者向けのニュース英語攻略本だ。相変わらず細かく神経の行き届いたていねいな作りには頭が下がります(とてもできない)。きちんと理論的な主張をしているところもえらいと思う(たぶん編集側との軋轢はあったろう)。

Gillies, Andrew (2005) Note-Taking for Consecutive Interpreting - A Short Course (Translation Practices Explained). St. Jerome Publishing.
この著者にはConference Interpreting: A Students' Companion (Tertium)という、前半がポーランド語、後半は英語という本があり、またJean-Francois Rozanの古典的著作Note-taking in Consecutive Interpretingの英訳という仕事もしている。今回のこの本は逐次通訳ノートテイキングのワークブック。もちろん詳しい説明もあるから理論的な方に関心のある人でも買って損はない。ただし'tried and tested techniques'が中心だから理論的に新しい内容を期待してはいけない。特定の言語の組み合わせではなく、英→英で練習する(ただし先生が英語ができれば他の言語の組み合わせにも応用は可能と書いてある。)考えてみればこれだけ詳しい逐次通訳の教科書=ワークブックはないので、逐次通訳の教え方、学び方に困っている人にはいい本だと思う。St. Jeromeから直接買うのが簡単で速い。

安井稔(2005)『仕事場の英語学』(開拓社)。
齢80になんなんとする英語学の泰斗の新刊。タイトルの意味がわからないが、相変わらず面白い。面白いというのはもちろんひとつは内容だが、文体がいいのである。
「早期英語教育に思う」というエッセイには…

「今のところ、英語に上達するための処方箋はない。これからもないであろう。凡そ100年余りの間、現れては消え、現れては消えていった英語教授法の消長が、部分的にはその証明となっている。教育機器もおしなべてだめである。機械任せで本人の努力不在というのでは、今後ともだめであろう。(・・・)しかし、上達している人々はいる。そう、みな自分で努力し、勉強した人々である。そうすると、英語の上達法は、ただ一つ、「自分で勉強すること」である。よい先生はいたほうがよい。悪い先生はいないほうがいい。」

と、何だかものすごく恐ろしいことが書いてあったりする。