(以下、愛媛新聞から転載)
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スカーフと間違い 2014年10月07日(火)
「マフラーは駄目で、ストールはいいのか」。参院で、やや場違いなファッション論争があった▲
松島みどり法相が、赤色のストールを着けて本会議に出席。トレードマークの赤いマフラーを見とがめられて外したアントニオ猪木参院議員と比べ、疑問の声が上がり、開会が20分遅れたという▲
結論は、屋外用の帽子やマフラーは規則で禁止だが、ストールやスカーフは容認とか。布の厚さは違っても、猪木氏のマフラーが防寒用と思う人はいまい。2人の着け方も意外にそっくり。次はファッションより、仕事の中身で勝負を▲
たかが布1枚。されど生き方に関わるファッションもある。韓国・仁川アジア大会で、イスラム教徒のカタールの女性が髪を覆う布「ヒジャブ」の着用を認められず、試合を放棄した。多くの宗教や歴史を内包するアジアこそ、努めて多様性には寛容でありたいが、現実は逆▲
女性議員のファッションが殊更話題に上るのも、日本はまだ公の場に女性が少なく、目立つからかもしれない。男性の「とりあえず背広」とて、歴史は浅い。女性や外国人、若者ら少数派が表舞台に増えれば、多様で個性的なファッションが常識になるはず▲
日本語の「違う」には「異なる」と「正しくない」の両義がある。空気を読まず、間が違えば「間違い」になる―とは言い得て妙。異なるのは悪いこと、そんな価値観を脱ぎ捨て、違いを尊重し合える社会になるように。
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スカーフと間違い 2014年10月07日(火)
「マフラーは駄目で、ストールはいいのか」。参院で、やや場違いなファッション論争があった▲
松島みどり法相が、赤色のストールを着けて本会議に出席。トレードマークの赤いマフラーを見とがめられて外したアントニオ猪木参院議員と比べ、疑問の声が上がり、開会が20分遅れたという▲
結論は、屋外用の帽子やマフラーは規則で禁止だが、ストールやスカーフは容認とか。布の厚さは違っても、猪木氏のマフラーが防寒用と思う人はいまい。2人の着け方も意外にそっくり。次はファッションより、仕事の中身で勝負を▲
たかが布1枚。されど生き方に関わるファッションもある。韓国・仁川アジア大会で、イスラム教徒のカタールの女性が髪を覆う布「ヒジャブ」の着用を認められず、試合を放棄した。多くの宗教や歴史を内包するアジアこそ、努めて多様性には寛容でありたいが、現実は逆▲
女性議員のファッションが殊更話題に上るのも、日本はまだ公の場に女性が少なく、目立つからかもしれない。男性の「とりあえず背広」とて、歴史は浅い。女性や外国人、若者ら少数派が表舞台に増えれば、多様で個性的なファッションが常識になるはず▲
日本語の「違う」には「異なる」と「正しくない」の両義がある。空気を読まず、間が違えば「間違い」になる―とは言い得て妙。異なるのは悪いこと、そんな価値観を脱ぎ捨て、違いを尊重し合える社会になるように。