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成功の鍵は「文化」にあり? グローバル人材の真の条件

2014-10-07 11:25:14 | 多文化共生
(以下、ITmedia eBOOKUSERから転載)
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成功の鍵は「文化」にあり? グローバル人材の真の条件

 もはや聞き飽きているに違いない。「グローバル化」というテーマは、ここ十数年、ビジネス界で毎日のように論じられている。それは結局、盛んに必要性が叫ばれていながら、いまだグローバル化が遅れている、ということかもしれない。なぜそうなのか。そもそもグローバル化とは、グローバル人材になるとは、どういうことなのか。


 英語力や論理力、プレゼン力など、グローバル人材の条件のように語られるスキルはいろいろあるが、本質はそうではなく、もっと人間性に根ざしたものだと説く本がある。『日本人が海外で最高の仕事をする方法――スキルよりも大切なもの』(糸木公廣/著、英治出版/刊)は、多くの人にとって「グローバル化」というテーマへの見方ががらりと変わる一冊となるだろう。

 ソニーで20年、9カ国に赴任し、現場マネジャーから子会社CEOまでさまざまなポジションで活躍した著者は、どんな国で、どんなビジネスを行うにしても、「相手は人」だということを繰り返し強調する。人種や宗教に限らずさまざまな文化の違いがあっても同じ人間であり、それならば「微笑めば、微笑み返してくれる」――。海外で仕事をする上では、この単純明解な原理が鍵だと著者は示唆している。

 本書では著者がそのような考えに至るまでに出会った困難やそれを乗り越えるまでの試行錯誤の軌跡が、生き生きとした筆致で記されている。人間味にあふれたエピソードが小説風に語られ、ビジネス書であることを時に忘れてしまうほどだ。実体験のストーリーで語られるため具体的・実践的なヒントを得やすい一方、各章末にはポイントが簡潔にまとめられ、振り返りや頭の整理もしやすい。

 どんなエピソードがあるのか。例えば、著者にとって初の海外赴任先のインドでは、当初は現地の従業員や取引先とうまく関係を築けず、「もう日本に帰ってくれ」とまで言われてしまう。

 四面楚歌の状態で著者が活路を見出したのは、インドの映画。仕事とは本来何の関係もない。だが、映画を通じて現地の文化を学ぶとともに、積極的に映画を話題にすることで、インド人に親しみを持ってもらうことができた。そこから人間関係がどんどん広がり、ついには新規プロジェクトまで成功してしまったのだ。

 また、ベトナムに赴任した際にはベトナム語でカラオケを披露し現地の人々の心をつかんだというエピソードや、伝統文化を学んで「祖国の美」をテーマに広告をつくることで大成功した話などが語られている。ビジネスには一見関係のない文化的側面から関係をつくり、仕事の成功につなげるのが著者のやり方だ。そこで得られる成果は単に業績指標において優れているだけでなく、心を震わせる「感動」まで付いてくる。タイトルにある「最高の仕事」がけっして誇張ではないエピソードが満載だ。

 外国人から自国の文化に対する敬意や理解を表明されて、喜ばない人はいない。当たり前のようだが、それを本気で実践できるかどうか。実践できれば、想像を超えるような成果が転がり込んでくる。「相手は人」である以上、それは実は、不思議なことではないのかもしれない。

 こうした姿勢は、実は国内・国外にかかわらず、ビジネスで大きな成功をおさめるための鍵であることも示唆されている。同じ日本人であっても一人ひとり異なるバックグラウンドを持ち、価値観も多様なのだから。「相手は人」だと認識することは、つまり「相手を人として尊重する」ということだ。

 どんな場所でも必要なのは、他人と異文化を尊重し、良好なパートナーシップを結ぶ力なのだ。本書はますます多様化する社会において、海外展開している企業だけでなく多くの企業において役立つだろう。また、海外で活躍したい人、グローバル人材をめざす人のみならず、国内でマネジメントに携わる人、ひいては「人を相手に」仕事をするあらゆる人にとって示唆に富む一冊と言えるだろう。

(新刊JP編集部)

スカーフと間違い

2014-10-07 11:24:48 | ダイバーシティ
(以下、愛媛新聞から転載)
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スカーフと間違い 2014年10月07日(火)

 「マフラーは駄目で、ストールはいいのか」。参院で、やや場違いなファッション論争があった▲
 松島みどり法相が、赤色のストールを着けて本会議に出席。トレードマークの赤いマフラーを見とがめられて外したアントニオ猪木参院議員と比べ、疑問の声が上がり、開会が20分遅れたという▲
 結論は、屋外用の帽子やマフラーは規則で禁止だが、ストールやスカーフは容認とか。布の厚さは違っても、猪木氏のマフラーが防寒用と思う人はいまい。2人の着け方も意外にそっくり。次はファッションより、仕事の中身で勝負を▲
 たかが布1枚。されど生き方に関わるファッションもある。韓国・仁川アジア大会で、イスラム教徒のカタールの女性が髪を覆う布「ヒジャブ」の着用を認められず、試合を放棄した。多くの宗教や歴史を内包するアジアこそ、努めて多様性には寛容でありたいが、現実は逆▲
 女性議員のファッションが殊更話題に上るのも、日本はまだ公の場に女性が少なく、目立つからかもしれない。男性の「とりあえず背広」とて、歴史は浅い。女性や外国人、若者ら少数派が表舞台に増えれば、多様で個性的なファッションが常識になるはず▲
 日本語の「違う」には「異なる」と「正しくない」の両義がある。空気を読まず、間が違えば「間違い」になる―とは言い得て妙。異なるのは悪いこと、そんな価値観を脱ぎ捨て、違いを尊重し合える社会になるように。

「まるで100年前の世界」 元大関・琴欧洲が見た相撲界とは

2014-10-07 11:24:20 | 多文化共生
(以下、アメーバニュースから転載)
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「まるで100年前の世界」 元大関・琴欧洲が見た相撲界とは

2014年10月07日 05時50分

『今、ここで勝つために 琴欧洲自伝』(琴欧洲勝紀/徳間書店)

 先月行われた大相撲秋場所。31回目の優勝を飾った横綱・白鵬ほか、新入幕の逸ノ城の快進撃など、モンゴル出身力士の活躍が印象的な場所となった。いまや彼らのような「外国人力士」の活躍はすっかりおなじみであり、時にたどたどしい日本語で謙虚に会見する姿も好印象だ。

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 こうした「日本語」の使用も一端だが、力士の世界では外国人も日本人も区別なく相撲界のルールにのっとることが求められる。外国人力士たちの強さの理由には、逃げ出す者が絶えないという厳しい稽古に加え、言葉や文化の違いというハンディを乗り越えてきたという精神面のタフさもあるのかもしれない。

 実際、彼らはどのような日々を送っているのか? 今年の三月場所で惜しまれながら現役を引退した、元大関・琴欧洲による初の著書『今、ここで勝つために 琴欧洲自伝』(琴欧洲勝紀・著/徳間書店)は、人気力士の魅力的な素顔と共に、あまり知られていない外国人力士の日常を明かす貴重な記録となっている。

 琴欧洲勝紀、本名・安藤カロヤンはブルガリア出身。欧州出身者として初めて大関まで上り詰めた実力を持つ上、2mを超える長身と彫りの深いマスクでひときわ目をひき、CM等ではお茶の間の人気者ともなった。

 そんな彼が日本に渡ってきたのは19歳の大学時代の夏のことだ。当時、祖国でオリンピックを目指しレスリングに打ち込んでいたが、佐渡ケ嶽部屋の元床山(力士の髷を結う職人)に声をかけられ、最初こそ気軽な夏休み旅行のつもりで来日。折しも父が事故でケガをおってしまったこともあり、家族を助けるためもあって正式入門を決意する。

 彼の前に、まず立ちはだかったのは「言葉」と「食」の壁だ。特に言葉は、ブルガリア語以外はできない彼にとって重大な問題だった。訊ねたいことがあってもそれを言葉にすることもできず、初めて耳にする言葉をただひたすらメモした日々は、話し相手もいない孤独で厳しいものだった。食においては、主食の米が大して食べられず、体を大きくすることができない。見かねた親方が特別にフランスパンを用意してくれる一幕もあった。食習慣の違いはただでさえストレスになるものなのに、それが力士としての素地作りに直結するのだから道のりは険しい。

 その上で課せられる厳しい稽古や相撲界独特の慣習。すべて気合と根性で乗り切る自己責任・自己管理の世界は「まるで百年前にタイムスリップしたみたい」なものと琴欧洲。レスリング選手時代にチームによる科学的なトレーニングで選手を養成するスタイルに馴染んでいた彼には、違和感の連続だったのも無理はない。だが郷に入れば郷に従えの言葉通りに稽古に励み、琴欧洲は番付を駆け上がって行ったのだ。

 父と抱き合って泣いた幕内最高優勝、最愛の妻との出会い、幼い長男との土俵入り体験…本書で披露される数々のエピソードには、素直で大きな心の琴欧洲の人柄がにじむ。ボランティア活動に力を入れていたというのも、あまり知られていない彼らしい一面だ。中でもブルガリアに子供用の中古車椅子を送る活動を熱心にすすめ、ブルガリア本国から最高勲章を、この活動に賛同したタニタからは車椅子用体重計などの寄贈も受けた。「日本人の思いやり精神が心に響いた」というが、厳しい異国の文化の中で礼節と思いやりを忘れない彼自身にこそ、私たちが学ぶべきところは多いように思う。

 惜しまれながら今年の三月場所を十一日目にしてケガで休場し、そのまま場所中に引退を表明した琴欧洲。遠い異国の地で頑張り続けた彼を支えたのは、多くの稽古を重ねてきた自信に加え、さらに上を目指そうとする強い精神力だったが、引退直前の姿は、心の糸が切れてしまったような悲しみと痛みに溢れている。当時のブログや引退会見は大きな反響を呼んだが、あの時、彼の胸に去来していた様々な思いをこうして本で振り返ると、外国人力士特有の苦労を思わずにいられない。そしてあらためて、その強靭なタフネスに感服するのだ。がんばれ、琴欧州! がんばれ、親方!

文=荒井理恵

留学生向けシェアハウス 前橋に

2014-10-07 11:23:50 | 多文化共生
(以下、読売新聞【群馬】から転載)
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留学生向けシェアハウス 前橋に
2014年10月07日

弁天通りに開設される外国人向けのシェアハウスと就労支援スペース(前橋市千代田町で)

 前橋市千代田町の弁天通り商店街に11月、留学生向けのシェアハウスが開設される。就労支援スペースも併設する。入居できるのは4人と少数だが、留学生の居住場所の確保や就職につなげ、県内での定住を進めるのが狙いだ。

 開設するのは家具インテリア販売業のスタイル(伊勢崎市)。同社の松島郁夫社長(49)が街づくりを通して知り合った前橋工科大の松井淳教授の協力を得て物件の選定や設計を行った。

 同社によると、シェアハウスは5階建ての空き店舗を改修。1階には商業施設が入り、2階に外国人向けの仕事を紹介する交流サロンを設け、留学生が就業体験する機会も作る。就労支援は来年4月設立予定のNPO法人「ぐんま多文化共生推進機構」が担う予定で、県と群馬大が養成する「多文化共生推進士」が参加する。

 シェアハウスは3、4階部分で、個室4室を用意する。家賃は1室2万5000円前後と比較的低額で、日本文化を体験できる畳敷きの共有リビングも造る。総事業費約1200万円を見込んでおり、前橋市のまちなか店舗開店支援事業補助金を申請する。

 県によると、県内には大学や語学学校など12学校に1021人の留学生がいる。スタイルの松島社長は「これまで県内には留学生が定住できるような仕組みがなかった。将来的に人口減の解消につながればうれしい」と話している。

2014年10月07日