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景気後退で失業、帰国…ブラジル人学校にも影響

2008-12-12 00:52:18 | 多文化共生
(以下、信濃毎日新聞から転載)
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景気後退で失業、帰国…ブラジル人学校にも影響

12月10日(水)

 急速に進む企業のリストラで、県内の日系ブラジル人の子どもたちが通うブラジル人学校の生徒数も激減、経営者が悲鳴を上げている。主に製造業の派遣社員で働く保護者が失業し、授業料が払えなくなったり、帰国を余儀なくされたりするケースが続出しているためだ。学校側は授業料の減免などで対応するが、決め手は見いだせていない。

 「何人減るか、分からない」。上田市のブラジル人学校「ノボ・ダマスコ」の竹村エリカ校長(40)は不安を隠さない。生徒数はこの1カ月で20人減って約90人。来年1月にはさらに40人減る。きょうだいの2人目の授業料を3分の1免除しているが、分割払いを求めたり、支払いが遅れたりする家庭が相次ぐ。

 同校は教師15人を半分程度に減らすことも検討しているが、「1番かわいそうなのは子どもたち」と竹村校長。「登校したくてもできず、泣いている生徒もいる」「ポルトガル語がわからないまま帰国すると、現地の学校で学年を下げなくてはいけない」…。

 伊那市のブラジル人学校「コレージョデザフィーオ」も、11月初めに約80人いた生徒がこの1カ月で約40人に急減。飯島ヨシムネ校長(41)によると、帰国した家族がいる一方、授業料が払えずに自宅で過ごしている生徒も20人ほどいるという。

 おやつを含む4食付きで月4万5000円の授業料を今月から約3万円に下げ、月約2万円で半日学ぶこともできるようにした。経営は圧迫され、今月からブラジル人教師7人の給料を4割削減。授業のない来年1月は、ほぼ全員を無給の休みにする方針を決めた。

 塩尻市のブラジル人学校「ロゴス」も60人ほどの生徒が2カ月ほど前から減り始め、現在は約40人。1月以降に最大で授業料の半額を免除することも検討するという。

 こうした状況に県国際交流推進協会(長野市)は1日、県内10校のブラジル人学校を聞き取り調査。ほぼ全校が1月以降に生徒数が減るとの見通しを示した。ただ、多くが有限会社経営や個人経営のため公的支援は期待できず、ブラジル政府からの援助も望めないという。

 日系4世の女性(20)=須坂市=は、上田市のノボ・ダマスコに9歳と14歳の弟2人と自身の1歳の子どもを通わせる。北信の同じ企業で働く両親と夫のうち、今月末で母と夫の派遣打ち切りが決まり、父親も先が見えない。来年2月に子どもや弟と帰国することを考えている。

 日本暮らしが長い弟たちはポルトガル語がうまく話せない。だが、「帰国できるわたしはまだいい。帰るお金がない人はたくさんいる」。日本で行き場を失いかねない子どもたちの行く末を心配した。

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