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介護福祉士の資格目指し研修 比人候補生、笑顔で奮闘

2010-08-30 10:22:31 | 多文化共生
(以下、毎日新聞【北海道】から転載)
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フォトスクランブル:介護福祉士の資格目指し研修 比人候補生、笑顔で奮闘 /北海道
 ◇余市で研修

 車椅子に乗る入所者を手伝ったり、食事やトイレの介助をしたり……。余市町の介護老人福祉施設「フルーツ・シャトーよいち」では、3年後の介護福祉士の国家試験を目指して奮闘する2人のフィリピン人女性の姿があった。

 2人はシェリル・サンチェズさん(29)とシェラリン・メンドーザさん(24)。介護に携わる人材が将来不足することを想定し、同町の社会福祉法人「よいち福祉会」が昨年、道内で初めて日本とフィリピンによる経済連携協定(EPA)に基づき介護福祉士候補生として受け入れた。

 2人は同法人が運営する「フルーツ・シャトーよいち」の別々の部署で、他のスタッフとともにそれぞれ20人の入所者の面倒を見ている。そんな彼女たちの来日前の最大の心配事は日本語によるコミュニケーションだった。仕事を終えてから毎日4時間の猛勉強を続けた結果、今では入所者にも流ちょうな日本語で話しかけられるようになったが、施設で2人に日本語を教えている阿部珠恵さん(33)は「問題は漢字」と指摘する。

 確かにテキストには「冠状動脈」「虚血性心疾患」など難解な医学用語が並ぶ。今年の看護師の国家試験ではEPAによる初の合格者が出たものの、合格は254人中わずか3人という狭き門だった。9割近い日本人の合格率を考えると、漢字が並ぶ試験問題は外国人受験者にとっていかに難しいかが分かる。

 さらに受験資格に3年の実務経験が必要な介護福祉士の試験では、4年間しか滞在が認められていない彼女たちにとって受験のチャンスは1回のみ。日本人でも合格率が50%程度と、さらなる難関が待ち構えている。

 施設の夏祭りでフィリピンのカキ氷屋台を出したり、一緒に盆踊りをしたりと周囲にすっかり溶け込んでいる2人。入所して2年目になる藤門政子さん(94)は「彼女たちは日本人も見習うべき介護者としての大切な面を持っている。試験に合格してこれからも働いてほしい」と期待を寄せている。【写真・文、木葉健二】

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