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ハママツは移民社会日本を占う最先端都市

2009-11-20 12:56:24 | 多文化共生
(以下、日経ビジネスオンラインから転載)
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ハママツは移民社会日本を占う最先端都市

* 石井 政之 【プロフィール】
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金髪のラテン美女がラーメンをすする町

 浜松駅に降り立って、北に5分ほど歩く。遠鉄というローカル線のガード下に十数軒のラーメン屋が軒を連ねている。ひょっこりはいって「ラーメンとビール」と注文すると、隣のカウンターで金髪のラテン系美女がラーメンをすすっている。それが「未来世紀ハママツ」の風景です。
市内で売られているネックレス
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 東京駅の地下を歩いてラーメン屋に入っても金髪女性と遭遇する確率は低い。ハママツでは日常茶飯事。なにしろ人口約82万人のうち約3万人が外国人。うち2万人弱がブラジル人。町を外国人が闊歩しています。ブラジル国旗をはためかせたブラジル人が経営するコンビニ、レストランがしっかり根付いています。

 「未来世紀ハママツ」へようこそ。

 未来世紀ハママツとは、管理社会の恐怖を描いた奇才テリー・ギリアム監督の名作「未来世紀ブラジル」をもじったものです。自由で豊かな普通の生活が、「ブラジル人」という属性を持っているだけで、まっさきに崩壊していくという恐怖都市になってしまったハママツ、という皮肉をこめて名付けた連載タイトルというだけではありません。

 日本は空前の少子化となり、外国人移民を受け入れ、共存をしなけれならない時期にきています。しかし、この現実を直視しないのが“スタンダード”になっています。

 そのなかで、ハママツは、日本国内で移民問題のその最先端を走っている都市。ハママツでいま起きていることは、数年先の未来に、日本国中で起きることなのです。いわば「未来世紀ニッポン」を先取りしているのがハママツ。そのハママツの変化を、この土地で暮らす人間がレポートするのがこの連載です。

 ところで、ハママツには日系ブラジル人のホームレスはほとんどいません。

 昨年9月のリーマンショック以来、世界中で金融危機が発生。日米の自動車産業は大打撃を受けました。その余波として、ハママツでも自動車関連会社で働いていたブラジル人たちも失職。昨年冬からはブラジル人の失業率が80%を超えるともいわれてます。仕事がありません。昨年大晦日から今年の元旦にかけて、東京の日比谷公園では「派遣村」が炊き出しをして、派遣切りで失職した人たちに炊き出しをしていました。「週刊新潮」が、浜松で失業者2万人失職!ホームレスになる!というセンセーションな記事を書いたこともありました。
浜松の派遣村の様子
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 あの騒動から1年以上たちましたが、浜松ではブラジル人のホームレスが溢れているのでしょうか? 答えはノー!ホームレスはいますが、その多くは日本人。外国人が隅田川の河川敷のように数十人、数百人という規模で、浜松駅周辺で野宿をしているのか。まったくそんなことはありません。
世界中から労働者が集まってくる、大企業の城下町

 ハママツというと、関東圏の人にとっては「浜松町」でしょう。この連載の舞台となるのは静岡県浜松市。東京から新幹線で約2時間。静岡県の西部最大の人口を擁する都市。全国に知られているものとしては、ホンダ、スズキという世界的な自動車会社。ほかに、ヤマハやローランド、河合楽器というやはり世界的な楽器メーカーもある。

 それから何と言っても浜名湖畔の名産物ウナギ。浜松市のイメージキャラクターは、あの赤塚先生がつくられた不滅のキャラ、「ウナギイヌ」なんです。冗談のようですが本当です。浜松副市長という立場で浜松市の活性化のために活躍されています。

 大企業に連なる下請けや関連の中小企業がどっさりあります。仕事はたくさんありますので、日本中からそして世界中から労働者がやってくる街です。

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