(以下、読売新聞【兵庫】から転載)
=========================================
水曜はアジア料理食べて 在日女性の就労支援
灘のカフェ人気定着 関学大生が運営
「CASA」を運営する奥さん(右端)ら。「いつか自分たちの店を持ちたい」と夢を語る(神戸市灘区で)
神戸市灘区の水道筋商店街に毎週水曜(第3を除く)に開店するカフェ「CASA(カーサ)」が注目されている。関西学院大の学生が日本に住むアジア人女性の就労支援を目的に運営。タイ、フィリピン、台湾、中国出身の女性4人(38~60歳)が週替わりで母国料理を提供し、オープンから2か月を経て常連客もできた。学生たちは「もっと経験を積んで、多くのアジア女性の力になりたい」と張り切っている。(斎藤七月)
「フィリピン料理は辛くないんですよ」
先月26日、エプロン姿の関学大人間福祉学部3年の奥尚子さん(20)がメニューを見せながら客に説明した。フィリピン出身のジョセフィーナ菊池さん(60)が担当したフィリピン風鳥のから揚げ、伝統料理の甘酸っぱい「シニガンスープ」、フルーツ入りマカロニサラダ、ライス。用意したランチ(750円)16食が売れた。
奥さんとアジア人女性4人が出会ったのは、2008年夏。外国人の医療支援に取り組む大阪市のNPOを通じて知り合った。4人から、在日のアジア人女性の多くが読み書きができず、仕事に就けないことや地域社会から孤立している実態を「生の言葉」で聞いた。4人は「アジア人としての強みなんて全くない。社会に必要とされていない」と表情を曇らせた。
その後、4人が持ち寄った手料理を食べさせてもらう機会があった。おいしさに驚いた。「料理という強みに気付いた」。共感する学生9人と一緒に同年、アジア女性の支援グループを発足。4人の母国料理を出す屋台を学内のイベントで始めた。「手料理なんて食べてもらえない」。自信のない言葉も聞かれたが、1時間で180食が完売すると、4人から自然と笑みがこぼれた。
企業やNPOなどのパーティーなどへ宅配サービスを重ねた。今年3月、試験的に貸しスペースで客席12席の「CASA」をオープン。「スープがぬるい」など最初は苦情もあったが、盛りつけや適切な料理の温度を研究。常連客も生まれた。ジョセフィーナさんは「お客さんの『おいしい』の言葉が励み。頑張って続けていきたい」と話す。
現在、売り上げは材料費や4人の給料などに消える。奥さんは「お客さんが料理目当てで訪れるような店にしたい。難しいが、商売として成立させたい」と声を弾ませる。
問い合わせは同大学実践教育支援室(0798・54・6272)。
(2010年6月2日 読売新聞)
=========================================
水曜はアジア料理食べて 在日女性の就労支援
灘のカフェ人気定着 関学大生が運営
「CASA」を運営する奥さん(右端)ら。「いつか自分たちの店を持ちたい」と夢を語る(神戸市灘区で)
神戸市灘区の水道筋商店街に毎週水曜(第3を除く)に開店するカフェ「CASA(カーサ)」が注目されている。関西学院大の学生が日本に住むアジア人女性の就労支援を目的に運営。タイ、フィリピン、台湾、中国出身の女性4人(38~60歳)が週替わりで母国料理を提供し、オープンから2か月を経て常連客もできた。学生たちは「もっと経験を積んで、多くのアジア女性の力になりたい」と張り切っている。(斎藤七月)
「フィリピン料理は辛くないんですよ」
先月26日、エプロン姿の関学大人間福祉学部3年の奥尚子さん(20)がメニューを見せながら客に説明した。フィリピン出身のジョセフィーナ菊池さん(60)が担当したフィリピン風鳥のから揚げ、伝統料理の甘酸っぱい「シニガンスープ」、フルーツ入りマカロニサラダ、ライス。用意したランチ(750円)16食が売れた。
奥さんとアジア人女性4人が出会ったのは、2008年夏。外国人の医療支援に取り組む大阪市のNPOを通じて知り合った。4人から、在日のアジア人女性の多くが読み書きができず、仕事に就けないことや地域社会から孤立している実態を「生の言葉」で聞いた。4人は「アジア人としての強みなんて全くない。社会に必要とされていない」と表情を曇らせた。
その後、4人が持ち寄った手料理を食べさせてもらう機会があった。おいしさに驚いた。「料理という強みに気付いた」。共感する学生9人と一緒に同年、アジア女性の支援グループを発足。4人の母国料理を出す屋台を学内のイベントで始めた。「手料理なんて食べてもらえない」。自信のない言葉も聞かれたが、1時間で180食が完売すると、4人から自然と笑みがこぼれた。
企業やNPOなどのパーティーなどへ宅配サービスを重ねた。今年3月、試験的に貸しスペースで客席12席の「CASA」をオープン。「スープがぬるい」など最初は苦情もあったが、盛りつけや適切な料理の温度を研究。常連客も生まれた。ジョセフィーナさんは「お客さんの『おいしい』の言葉が励み。頑張って続けていきたい」と話す。
現在、売り上げは材料費や4人の給料などに消える。奥さんは「お客さんが料理目当てで訪れるような店にしたい。難しいが、商売として成立させたい」と声を弾ませる。
問い合わせは同大学実践教育支援室(0798・54・6272)。
(2010年6月2日 読売新聞)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます