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貧困の子供に学習支援 民間団体が「無料塾」の試み

2013-06-24 09:46:57 | ダイバーシティ
(以下、SankeiBizから転載)
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貧困の子供に学習支援 民間団体が「無料塾」の試み
2013.6.23 12:00

生徒と談笑する「地球小舎」代表の中尾さん。「気兼ねせずにどんどん来てほしい」=大阪府富田林市【拡大】
 子供の貧困率が先進国の中でも高い日本。親から子への「貧困の連鎖」を食い止めるため、国や自治体、民間団体が動き出している。その一つが、教育を受ける機会の平等を目指す学習支援だ。親の収入が子供の進学に影響するという調査結果もあり、無償で学習塾を開くなどの対策に乗り出している。(佐々木詩)

 同じ能力でも

 「今日は、みっちり漢字をやろうかなあ」。大阪府富田林市の旧街道沿いにある米屋の一角。「学び合い無料塾・地球小舎(てらこや)」代表の中尾安余さん(59)が声を掛けると、中学2年の男子生徒(14)は「ええー」と照れたように声を上げた。大阪市内のフリースクールに通いながら無料塾にも顔を出す。「ここなら通いやすいかなと思った。みかんさん(中尾さんの愛称)といると楽しい」と笑う。

 無料塾は毎週水曜日、米屋のスペースを借りて運営している。小学校の非常勤教師らがボランティアで子供の宿題を中心に苦手な科目などを見る。年間の登録料1千円と希望者は食事代1回300円が必要で、教材は自分の使いたいものを持ち寄るシステム。授業料は無料だ。昨年6月にスタートし、現在は7人の生徒が通っている。

 中尾さんはもともと不登校の子供とその親をサポートする活動をしていた。その中で、低所得層を含むさまざまな事情を抱える子供たちへの学習支援の必要性を感じたという。

 中尾さんは「塾の月謝が払えない子も多い。同じ能力の子供でも、受けられるサポートの違いで差が出てきてしまう。貧困の連鎖が生まれることは明確です」と言い切る。

 必要な体験

 東京大学大学院大学経営・政策研究センターが平成21年に発表した「高校生の進路についての調査」の概要によると、年収400万円以下の家庭は4年制大学進学率が31・4%にとどまるのに対し、1千万円を超える家庭では62・4%に達している。

 無料塾は子供たちの居場所としても機能している。「共働きや一人親の家庭などで家に帰ってもいつも一人、という状況から非行に走る子供もいる」と中尾さん。無理に勉強をさせず、誰かと過ごす場としても利用してもらいたいという。

 「学習も含め、子供の頃に必要な体験をさせてあげるのは大人の責任。こういう場があることが広く伝わるといい」と中尾さんは話している。

 「相対的貧困率」日本は9番目

 ユニセフの研究機関であるイノチェンティ研究所(イタリア)が昨年5月、子供の「貧困ライン」(等価可処分所得の50%)以下で暮らす子供の割合「相対的貧困率」を発表した。

 それによると、日本は14.9%(約305万人)で先進35カ国中、9番目に高い。最も高いのはルーマニアで25.5%、最も低いのはアイスランドの4.7%だった。

 今国会では、与野党が貧困の連鎖を断ち切るため、「教育の機会均等」などを盛り込んだ「子どもの貧困対策法」を提出しており、今国会で成立する見込みだ。

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