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「指紋採取、外国籍の修学旅行生も NGOが見直し要望」

2008-02-19 13:21:18 | 多文化共生
(以下、asahi.com【関西】より転載)
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「指紋採取、外国籍の修学旅行生も NGOが見直し要望」

2008年02月14日

 テロ対策などで16歳以上の外国人が来日する際に指紋と顔写真をとることを義務づけた「改正入管法」が、日本から海外に修学旅行に出かける外国籍の高校生を悩ませている。帰国時に日本人の生徒とは別に入国審査を受けなければならず、外国籍の生徒が通う高校のなかには、生徒の動揺を抑えようと、旅行前に同法についての事前学習を始めたところもある。在日韓国・朝鮮人の教育問題に取り組む大阪のNGOは「子どもがテロを起こすとは思えない」として、14日に鳩山法相に見直しを求める要望書を提出する。

 「指紋と顔写真をとられることで、『なぜ自分だけが』と傷つく生徒が出ないか心配だ」。10月に台湾への修学旅行を予定する大阪府立住吉高校(大阪市阿倍野区)の中野悦次校長は話す。

 同校では、生徒約840人のうち約50人が、戦前・戦中から日本で暮らす在日韓国・朝鮮人や、入国審査で「外国人」として扱われる戦後新たに渡日した韓国、中国籍の子ども。このうち15人程度を含む2年生計約280人が修学旅行に参加する。

 改正前は、帰国した参加者全員が同じ窓口で入国審査を受けたが、今年からは外国籍の生徒だけを別の場所に誘導し、指紋の採取と顔写真の撮影を受けさせなければならない。

 中野校長は「旅行前のパスポート申請時でさえ、国籍の違いに神経質になる外国籍の生徒がいる。『旅行で嫌な思いをするなら参加しない』という生徒が出ないとも限らない」と懸念する。

 同校は修学旅行の10カ月前にあたる昨年12月、参加予定者に入管法が改正され、外国人の入国手続きが変わったことを説明。修学旅行を終えた生徒たちが入国審査場で動揺しないよう、今後も事前学習を通じて外国籍の生徒が指紋と顔写真をとられる理由などを教えるという。

 在日韓国・朝鮮人を含め海外にルーツを持つ生徒約70人が在籍する府立長吉高校(同市平野区)は9月、2年生の一部が韓国へのスタディーツアーに行く予定だ。中田博紀教頭は「なぜ急に指紋や顔写真をとられるようになったのかをきちんと説明するのは難しい」と悩む。

 改正入管法施行後、学校関係者から「指紋採取や顔写真撮影の場所を他の生徒から見えないように配慮してほしい」との声が上がったため、法務省は外国籍の高校生については別室での入国審査を許可。1月末、文科省を通じて全国の教育委員会に通知した。

 これに対し、14日に鳩山法相に要望書を提出する「コリアNGOセンター」の金光敏・事務局長は、「授業で出国した高校生をテロ対策の対象に含める必要はない」と指摘。改正入管法が「省令で定めるもの」については一連の手続きを免除することができるとしていることから、「外国籍の高校生にも同じ運用をすべきだ」と求めている。

 文部科学省によると、海外への修学旅行を実施する公立・私立高校は、94年度は延べ444校、同9万6672人だったが、06年度は同1384校、同17万7750人に増加。外国籍の高校生の割合についての統計はないという。

 《改正入管法》 昨年11月にテロ対策強化を目的に施行された。1945年9月以前に日本にいた朝鮮半島、台湾の出身者とその子孫(特別永住者)▽外交・公用目的の入国者▽国の行政機関の長が招いた人――を除く16歳以上の外国人が入国する際、両手人さし指の指紋採取と顔写真撮影を義務づけた。近年増え続ける中国籍やブラジル籍の労働者やその子孫が永住許可を取得しても、この手続きの対象に含まれる。

=====以下、読売新聞より同記事の続き転載=============
外国籍の修学旅行生、指紋採取を免除へ…法務省検討

 法務省は、外国籍の高校生らが海外への修学旅行などから再入国する際、学校などが申請すれば、指紋や顔写真の提供義務の免除を検討することを決めた。

 14日に公明党の要請を受けた鳩山法相が「やらなければならない」として、省令改正などを検討することを明らかにした。

 昨年施行された改正出入国管理・難民認定法は、原則16歳以上の外国人に入国の際の指紋や顔写真提供を義務づけている。外国籍の高校生について、法務、文部科学両省は、学校が要請すれば、他の生徒から見えないよう入国審査窓口とは違う部屋で指紋採取を行うことなどを決めていたが、学校からは「人権上の配慮をしてほしい」などの要望が出ていた。
(2008年2月15日00時54分 読売新聞)

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