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カンボジア 若手日本人起業家に商機到来 サービス業進出増加

2012-10-18 09:56:39 | 多文化共生
(以下、SankeiBizから転載)
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カンボジア 若手日本人起業家に商機到来 サービス業進出増加

2012.10.17 05:00

キリヤ・カフェの横井朋幸さん(中央)と社員たち=プノンペン(木村文撮影)【拡大】

 日系企業の進出が相次ぐカンボジアで、進出する「業種」が広がりを見せている。不安定な中国情勢や円高に後押しされた形の輸出加工型製造業だけでなく、金融、小売り、美容、飲食、不動産など、カンボジア人や在住外国人10+ 件をターゲットにしたサービス業にも日系企業が増えてきた。

 その中で目立つのが、主に20代後半から30代の日本人による起業だ。右肩上がりの経済成長を遂げる国で、ビジネスチャンスをつかもうと奮闘している。

 ◆国自体がベンチャー

 首都プノンペンの高級住宅街「ボンケンコン地区」、カフェ通りとも呼ばれる激戦区の51番通りに、100席を擁するカフェ「キリヤ・カフェ」を開いた「トライアジアグループ」最高経営責任者(CEO)の横井朋幸さん(33)も、起業家の一人。愛知県出身の横井さんは、大学在学中に広告出版会社を起業し、2009年には東京でコンサルタント会社を起業したが、11年に株式を譲渡し、それを元手にカンボジア進出を決めた。

 10年までは、日本では企業の進出先とあまり認識されていなかったカンボジアだが、横井さんは旅行で訪れて驚いた。急激に変化する社会の勢いを感じたという。「当初は13年から海外進出を、と考えていましたが、それでは機を逃すと思った」

 次にカンボジアを訪れた11年にはもう進出の準備を始めていた。横井さんは「規制がほとんどなく、次々に外国資本を受け入れる。国自体がベンチャー企業のような雰囲気で、自分のやりたいことと親和性が高い、と感じた」と話す。

 トライアジアグループは、横井さんを含む日本人3人が共同経営にあたる。社員は経営陣を含む日本人6人、カンボジア人6人。加えてカフェのスタッフが40人余りの大所帯だ。キリヤ・カフェ1号店を11月にオープンさせた後、来年は偶数月にプノンペンで1店舗ずつ計6店舗を増やす計画。さらに業態の違う飲食店3店も来年中にオープンさせる。将来的には、コーヒーの自社農園を持ち、良質なカンボジア産コーヒー豆を輸出する企業にまで育てたい考えだ。

 ◆閉塞感から飛び出す

 「カンボジアはタイやベトナムと比べて人口が少ない。でも、中小企業にとっては国の規模はあまり関係なく、自分の商圏にどれだけターゲットとなる客がいるかが問題。人口が集中するプノンペンには、ベンチャービジネスを展開するのに十分な市場があるとみている」(横井さん)

 それにしても、プノンペンでは飽和状態に見えるカフェ業界、しかも地元資本や世界チェーンの人気カフェが町角に立ち並ぶ通りという厳しい立地を、なぜ、あえて選んだのか。

 「プノンペンのカフェ需要はまだ拡大している。外国人やカンボジア人の富裕層だけでなく、その後ろに控える分厚いミドルクラスの人々がコーヒーを飲み始めるのはこれから」と横井さんは言う。だから、キリヤ・カフェではドリップコーヒーを1ドル(約80円)で提供する。同じ通りの店ならその倍以上する。キリヤのすべてのメニューが安いわけではないが、間口を広くして、より多くのカンボジアの人々にカフェを利用してもらうためのサービスだ。

 一方で、カフェが並び立つからといって差別化を意識はしない。「差別化戦略は、競争過多で市場が伸びない場合にとるもの。ここは市場がまだ拡大しているのだから、差別化よりも、商品、店内の設備、サービス、すべての面で平均点以上のものを提供することで抜きんでることを目指す」

 こう語る横井さんは、カンボジアでの起業について、「閉塞(へいそく)感のある日本から飛び出し、東南アジアを生活の場、生活の手段とする。ここに活路があることを証明するロールモデル(模範)になりたい」と目を輝かす。カンボジアに引かれるのは「今日よりも明日が良くなるという希望があるから」。その言葉からは、途上国を援助の対象としてみてきた日本人の「東南アジア観」が、大きく変わりつつあるのを感じる。(在カンボジア・ジャーナリスト 木村文)

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