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「無駄にしないで」、権利の重みを訴え 県内外国人労働者

2009-08-30 18:08:06 | 多文化共生
(以下、下野新聞から転載)
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「無駄にしないで」、権利の重みを訴え 県内外国人労働者
(8月29日 05:00)

 不況で職が見つからず、苦しい生活を強いられている県内の外国人労働者たちの中には、30日の投開票が迫る衆院選を、もどかしい気持ちで見つめる人がいる。日本で長く暮らし、切実な悩みを抱えながらも、参政権はない。だからこそ、権利のある有権者には「1票の重みを大切にしてほしい」との思いがある。(小野裕美子)

 「政権交代で、皆さんの生活を変えてみせます」。宇都宮市の日系ブラジル人、井料田健二さん(45)は、候補者の街頭での訴えを複雑な思いで聞いた。

 同市内の自動車部品製造工場で、派遣労働者として働いてきたが、腰を痛め、昨年4月に辞めた。骨盤に金属棒を入れる手術をした後、すぐに求職活動をしたものの、既に不況下にあり、仕事は見つからなかった。

 生活保護を受け、月約10万円でやりくりしている。毎日、電車を乗り継ぎ、県内外のハローワークや人材派遣会社に足を運ぶが「外国人は雇えない」と、書類段階で落とされてしまう。

 「今回の選挙で、生活が変わるかもしれない」。派遣切りに遭ったブラジル人の仲間が集まると、衆院選の話題になる。井料田さんも、ニュースなどで各政党の政策をじっくりと見比べる。「政治は暮らしに直結するんだから、無関心ではいられない」と、流ちょうな日本語で話す。

 来日して、今月でちょうど20年になる。「日本人だったら、選挙権をもらえる年月がたっているのに…」と残念そうな表情を浮かべる。

 ブラジルでは、理由なく投票に行かなければ罰金が科せられる。「投票に行くから政治に文句も言える。どの政治家も同じだからと投票に行かなければ、政治の質はどんどん落ちてしまう」と指摘する。

 投票が国民の義務であるのは宇都宮市、岡田ウイルフレドさん(50)の母国、ペルーでも同じ。「日本でなぜ、若い人が投票に行かないのか分からない」と首をかしげる。

 岡田さんは昨年末、解雇された。家のローンも払えなくなり、日本の大学に進学した子供たちの奨学金返済も残っている。「願いを託すことができ、日本を変えられる1票を、無駄にしないでほしい」と訴えた。

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