異国の壁突破

(以下、中日新聞から転載)
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異国の壁突破

2010年2月14日

　神奈川県に住む母からうれしい便りが届いた。知り合いの日系三世の女子中学生が、日本人に交じって高校入試の前期試験で公立高校に合格したという。

　四年前に南米の国から来日。経済的理由で家族と離れて暮らす時間が長く、来日は両親より五年も遅れた。日本での生活への不安から内向的になり学校の授業でも苦労した。テストの点数は一けたも少なくなかった。

　同県では、公立高校の在留外国人の特別募集は、入国後三年以内が条件となっている。一年の差でこの制度の対象外となった彼女は、大きな苦労を強いられた。人一倍の努力で言葉の壁と生活習慣の違いを乗り越え、自分の進路を切り開いた彼女を今後も見守っていきたい。　（倉形友理）