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外国人実習生「あこがれの日本」で失踪 追い詰められ…

2015-03-10 08:48:47 | 多文化共生
(以下、朝日新聞から転載)
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外国人実習生「あこがれの日本」で失踪 追い詰められ…
2015年3月8日17時04分

 働きながら技能を学ぶ外国人技能実習生が行方不明になるケースが増えている。警察への届け出は2014年、過去最多だった13年をさらに更新する勢い。農業実習生として熊本県に来た中国人女性の場合、別の場所で働いていて警察に摘発され、帰国を余儀なくされた。なぜ、女性は追い詰められたのか。

 緩やかな丘に畑が広がる地区に、養鶏場だった建物がある。熊本県合志市。一昨年の夏まで、中国人女性(当時24)が農業実習生として働いていた。

 関係者の話や法廷での証言などによると、女性は東北部にある遼寧省のトウモロコシ農家の出身。中学を中退後、弟の学費や家族の生活費を稼ぐためにレストランで働いた。だが、家計は苦しかった。そんなときに実習生の制度を知り、日本へのあこがれもあって興味を抱いた。

 「3年働けばもとが取れる」。現地の仲介業者にこう言われたという。保証金として5万元(約95万円)を借り、自己都合で3年以内に帰国した際には20万元(約380万円)の違約金を払う契約も結んだ。2012年8月、鶏の飼育などができる養鶏業の実習生の資格で来日した。

 ところが、現実は違った。作業は、「資格外」の卵のパック詰め。月の手取りは時間外労働を除けば約7万円。未明まで残業のときもあったが、日本語の勉強をしながら働いた。

 9カ月後、労働基準監督署の調査で資格外作業が発覚し、養鶏場で働けなくなった。実習生の受け入れの仲介などをする監理団体の寮でいったん過ごしたが、この団体も別の不正行為がきっかけで営業停止に。「稼ぎがないまま帰国すると借金や違約金が残る」と思い、昨年2月ごろに寮を出た。つてを頼って熊本県八代市内でホステスとして働いた。

 同6月、女性は同県警に出入国管理法違反(資格外労働)容疑で逮捕された。同9月、熊本地裁で罰金刑の判決を受け、退去強制命令が出た。さらに、収容されている間に帰国への不安から床に頭を打ち付けて自殺を図った。止めに入った入管職員にけがをさせたとして公務執行妨害などの容疑で逮捕され、福岡地裁で執行猶予付きの有罪判決を受け、昨年末に帰国した。

 「だまされた気がします」。女性は熊本地裁の公判で語った。同地裁判決は、技能実習生の受け入れや送り出しの体制について「問題があったことは否定できない」と指摘した。福岡地裁の公判では、女性が自ら日本語で記した上申書を提出。日本語で「日本が好きで来た。真面目に仕事したかった」と悔しさをにじませた。

 女性が中国側の仲介者に払ったとされる保証金や違約金は、実習生の入国許可などを規定する出入国管理法の関係省令で禁止されている。女性を受け入れた監理団体の関係者は、女性が中国で払ったとしていることについて「知らない。借金をしてまで来る理由がありますか」と朝日新聞の取材に対して話した。

 女性を支援してきた「コムスタカ 外国人と共に生きる会」(熊本市)の中島真一郎代表は指摘する。「女性は人身取引の被害者として保護されるべきだ」

■「雇用の調整弁にされている」

 法務省入国管理局によると、2013年に行方不明の報告が事業所から寄せられた技能実習生(旧制度の研修生を含む)は3567人で、前年から1560人増えた。全国の警察に失踪の届け出があった数も13年が2458人と最多(警察庁調べ)。14年上半期は1717人に上り、前年同期を上回る。中国人が過半数で、ベトナム人やネパール人などが続く。

【外国人実習制度】人権守れる監督機関を

2015-03-10 08:48:19 | 多文化共生
(以下、高知新聞から転載)
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【外国人実習制度】人権守れる監督機関を
2015年03月09日08時13分

 外国人技能実習生の人権侵害を防ぐ監督機関を設置することを柱とした外国人技能実習適正実施法案の国会審議が始まる。
 人手不足に悩む産業界からの強い要望を受け、政府は実習生の受け入れ拡大を打ち出している。
 少子高齢化で人口減少が進み、労働力の確保は切実な課題だ。外国人の受け入れは有力な選択肢となるだろう。
 とはいえ、技能実習制度をめぐっては劣悪な労働環境がたびたび指摘されている。実習生の人権を守る環境づくりは国の責任だ。
 外国人が働きながら日本の技術を学ぶ技能実習制度は1993年に導入された。現在、約16万人の実習生が農業や製造業などに携わっている。
 一方で、賃金の未払いや長時間労働の強制など違法行為が横行しているとされ、外国人を安く働かせることができる制度にもなっている。
 厚生労働省の2013年の立ち入り調査では、約8割の事業所で法令違反が確認されている。海外からは「強制労働」などとの批判も強い。
 政府が新たな監督機関として設置するのは認可法人「外国人技能実習機構」(仮称)だ。本部のほかに地方事務所を置くことを想定している。
 技能実習は、海外の送り出し団体と国内の受け入れ団体が契約を結び、実習生を国内団体の傘下企業で働かせることが多い。
 新機関は国内の団体や企業への立ち入り調査権限を持つ。技能実習制度での監督強化策をまとめた政府の有識者懇談会の報告書によると、団体は年1回、企業は3年に1回調べる。
 だが実効性には疑問も残る。これまでも実習先などへの指導は繰り返されてきたが、多くの不正を見抜けなかった。報告書が示すような頻度の調査では、根深い問題を明らかにすることはできないのではないか。
 送り出し側へのチェック強化も課題だ。
 実習生が来日する際に、送り出し団体に高額の「保証金」を払う事例も少なくない。途中で帰国すると保証金を返してもらえないため、我慢して働き続けるという。
 本気で外国人の受け入れを広げるのなら、国としてきちんとした労働環境を提供しなければならない。労働力としての視点だけではなく、社会の一員として迎えることが一層重要になる。

外国人マネージャー日本で育成 政府、滞在しやすく

2015-03-10 08:47:56 | 多文化共生
(以下、日本経済新聞から転載)
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外国人マネージャー日本で育成 政府、滞在しやすく
海外の工場長など 企業の国際展開後押し
2015/3/10 2:05

 政府は日本企業の国際展開を後押しするため、海外の生産拠点で働く外国人の技術管理職を日本で育てる新たな制度を導入する。外国人研修生を日本に招いて初歩的な技術習得を促す既存の技能実習制度とは別に、海外子会社などの外国人従業員を日本の本社などに受け入れ、海外の生産現場を統括する知識や技術を学んでもらう。3月中に制度の骨子を固めたうえで、早ければ2015年度中にも導入することを目指す。

多文化共生実現目指す/ブータンから実習生 企業へ橋渡し

2015-03-10 08:47:31 | 多文化共生
(以下、河北新報から転載)
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<せんだい ひと模様>多文化共生実現目指す/ブータンから実習生 企業へ橋渡し

「文化の多様性に触れる機会を増やしたい」と話す押谷さん

◎ネクストステージ東北代表理事 押谷祐子さん

 外国人技能実習生と企業とのマッチングを担う協同組合ネクストステージ東北(仙台市)は5月、国内で初めてブータン人を受け入れる。雇用するのは東日本大震災復興事業に携わる宮城県内の企業。代表理事の押谷祐子さん(57)=青葉区=は多文化共生社会の実現を目指す活動にも取り組んでおり、「交流人口が増えると地域が活性化する」と期待する。

<高い教育水準>
 組合がブータンからの技能実習生受け入れを決めたのは、仙台市在住のブータン人が経営する人材派遣会社の依頼がきっかけだ。やって来る実習生は主に20代の男性約10人。県内の建設会社などが3年程度雇用する。
 「ヒマラヤの王国ブータンは人口七十数万人の小国。就職難のため、国策で海外での就労を推進しています。海外就労者の多くは『高い給料を得る』という目先の利益ではなく、『技術を身に付けて帰国し、起業したい』と考えています」。ブータンの就労事情をこう説明する。
 ブータンでは小学校から英語で授業が行われているので、海外就労先は豪州や米国など英語圏がほとんどだ。新たな就労先の開拓を目指し、ブータン政府はアジアの経済大国である日本に目を向けているという。
 今回、ブータン政府を通じて求人すると70人の応募があった。組合幹部が1月に渡航して面接し、補欠を含めて18人に絞った。「4、5カ国語を話せる人ばかりで、教育水準の高さを感じました」と、宮城での活躍に期待を寄せる。

<登山申請で縁>
 雇用する側の企業は既に決まっている。実習生は「安い労働力」とみられがちだが、実際には語学研修費や生活相談対応業務などの経費が必要となる。「受け入れ企業には『多文化共生』という理念を理解してもらっています。ありがたいことです」と感謝する。
 実は、ブータンとは個人的に30年以上前にも縁があった。当時は鎖国していて「秘境」とされたブータンに、押谷さんが所属する女性登山隊が7年にわたり登山許可を申請し続けた。そして1983年、海外登山隊として初めて許可を受けたのだ。
 「地図もなく、目指した山への登頂は断念しましたが、トレッキング中に触れ合ったブータン人の洗練された民度の高さ、精神世界の豊かさに感銘を受けました」と振り返る。
 雇用した企業の反応がよければ、組合はブータンでの求人活動を活発化させる方針だ。現在、日本に住むブータン人は26人で、東北では仙台の1人だけだという。心の幸福を追求する指標「国民総幸福量」を提唱するブータンの価値観に触れる機会が、増えるかもしれない。

第1回 ダイバーシティ(Diversity)多様性を受け入れる

2015-03-10 08:46:51 | ダイバーシティ
(以下、日建ハウジングから転載)
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第1回 ダイバーシティ(Diversity)多様性を受け入れる
2015年3月5日

 田原祐子

女性活躍推進が国策となり、営業、お客さま対応、インテリアコーディネート等、さまざまな分野で「女性を育成したい」という経営者は多いものです。しかし、同時に、女性の扱い方(最近では、若い男性も含めて)を知らず、失敗しているケースが少なくありません。この連載では女性スタッフ&若者の育て方のポイントをお伝えします。

ダイバーシティとは何か?

 ダイバーシティ(Diversity)とは、直訳すると「多様性」という意味。人それぞれの、違い(性別、人種、国籍、宗教、年齢など)を受け入れ、それぞれの違いを「強み・価値」として生かし、企業の競争力につなげるという考え方です。

 もとは、さまざまな民族や人種の人々が集まる、アメリカで注目されていた考え方で、十年ほど前から日本の企業でも積極的に取り入れられるようになりました。

 住宅・不動産・建設業界はまさに、男性中心の、いまだに旧態依然とした体質の残る業界です。その中でまさに、新しい感性や戦力として、女性や若者を活用しなくては企業間競争には生き残れません。

 ただ、中には「女性ばかり注目されるのは不公平だ」と、女性活躍推進を疑問視する人もいるため、企業によっては外国人労働者を含む「ダイバーシティ(Diversity)=多様性」推進として、社内で取り組むケースも少なからずあります。

女性も若者も、違いを「強み・価値」として生かす

 ダイバーシティ(Diversity)の基本的な考え方は、【人それぞれの違いを「強み・価値」として生かす】というもの。しかし、これが、案外難しいのです。

 というのは、自分と他人との違いを受け入れるには、ある種の我慢や許容が必要だから。例えば、「○○はAである」という人と、「○○はBである」という人がいれば、当然意見がぶつかります。

 お互いが歩み寄りAとBの良いところをかけ合わせればよいように思いますが、なかなかそうはいきません。違いがあるからこそ、「自分の方が正しい」と“自己主張”したくなるのが私たちの常です。しかし、ここをきちんと折り合いをつけなくては、うまくことは進みません。

家づくり。男性は、‘ハード’(機能、性能)。女性は、‘ソフト’(住まい方、暮らしの提案)にこだわる。

 そもそも「男性も女性も同じ人間だから違いはない」「男性と女性を性別で分けて考えるのはおかしい」という意見もありますし、私自身、自他共に認める(男より男らしいと言われることもあるほど…)男性的な性格です。

 しかし、あきらかに、一つの“傾向”として、男女の違いは顕著に表れます。

 例えば、家づくりで男性がこだわるのは、概ね‘ハード’である、機能や性能、具体的には、構造や工法等の部分。対する、女性がこだわるのは、‘ソフト’である、住まい方や暮らしの提案。具体的にはインテリアやキッチン、収納、家事や子育てのための提案等、といったように大きく異なるものです。

 そして、女性や若者の“傾向”を知ることは、ひいては家づくりのターゲットである、お客さまを知ることにもなります。

 家に限らず、「消費財の購買決定権の8割を女性が握っている」と言われる今だからこそ、この連載では、皆さまに女性や若者の特徴をわかりやすくお伝えできるようあえてデフォルメ(強調)してお伝えしていきます。