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過渡期のお約束

2011-12-28 00:58:46 | 音楽・アート
ネットをみてると最近,作家らが自炊代行業者を提訴した件が話題になってました。自炊とは本をばらしてスキャンしてデータ化する行為ですが,代行とは客が自分で持ち込んでやってもらう業種のことです。

ネットを観て回ったところ,わたしが観るところは,全般的に作家の気持ちはわからないでもないが,見当違いではないか?ということ。本を裁断して自炊するのは個人複製の範囲だし,それで本が売れなくなるというのもおかしい。よっぽど古書店に売る方が本は売れなくなるはず。自炊がイヤなら電子書籍を出すべきとか,そういう意見が多いようです。読者をドロボウ扱いするのに反感を覚える人もいました。

わたしは以前はマンガや本をそれなりに買ってましたが,今はあまり本を読まなくなったので,ちょっと意見をする資格は無いのかも知れません。ただなんとなく10数年前にあった音楽CDのリッピングや音楽配信,ファイル交換の時のドタバタの再燃みたいに見えて,ちょっと興味深く思いました。

あの時はCDのリッピングの業者は出てきませんでしたが,ファイル交換の仕組みが出来て問題になりました。ユーザによるCDのリッピングもレコード会社は目の敵にしてCCCDとか出来ました。レコード会社はこれらがCD売上の減少の元凶のようにキャンペーンを繰り返しました。ユーザ間によるファイル交換は違法として殆んどなくなりましたが,コピーを防止するはずのCCCDもいつのまにかなくなりました。

それでCDの売上は復活したか?というと,多分しておらず,そうじゃなくてiTuneの隆盛によりCD販売より音楽配信へ主要マーケットが移りました。考えようによっては,ファイル交換やユーザによるリッピングは音楽配信により無力化されたとも言えます。

ですが,個人的にはわたしはいまだに音楽はCDで買ってます。通信販売が隆盛なこともあり,町のCD屋はもう虫の息状態です。消費者がCDじゃなくて音楽配信で音楽を買うのは,音楽配信の方が携帯プレーヤへの転送が楽だから,曲単価が安いから,曲の検索・購入が楽だからとかが理由ですかね。購入後場所を取らないとか管理がしやすいというのもあるでしょう,わたしはネットでは買わない人なので見当違いかも知れませんが。CDによる音楽販売がいつまで続くのかどれくらい続くのかはわかりません。しかし流れとしては音楽配信なんだろうなと思います。

で,本。自炊はCDのリッピングより遥かに手間です。手間なので業者がいなくなれば,あまり行われないかも知れません。でも,一方で電子書籍で出る本もあり,電子書籍の売上はどんどん伸びていくかも知れません。いまの電子リーダが本より使いやすいとも思わないので,すぐに変わるかどうかはわかりませんけど。

本が無くなったり,本屋が無くなるのは寂しいのだけど,流れとしてはいつかは…だろうな,とは思います。多分いま自炊に反対してる作家も,本よりも電子書籍の市場が大きくなったら,手の平を返したように移るだろうな…という気がします。何年か経ったら,自炊反対って意味無かったね…って言われるんだろうなぁ,とか思いました。
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