たろの日記ページ,gooブログ版

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心理と心理モデルと数値

2009-12-19 19:01:43 | ココロ
膵臓がんサバイバーさんのブログにAHP(階層化意志決定法)というのが載っていて,興味深く思いました。その次のブログに,実際に計算したものが載ってました。
面白いなぁと思ったので,ちょっと突っ込みますが,批判するつもりはありません。ちょっと注意を…という感じで簡単に。
わたしは一応大学で心理実験を習ったし,いまでも評価実験とかやってます。AHPという手法は知りませんでしたが,一対比較とか,心理尺度の構成法は勉強しました。なので,計算の複雑さはとりあえず,置いておいて,一番気になるのが,この手の手法は評価語と数値の関係です。
「同じくらい重要」「少し重要」「かなり重要」とかいう評価語に1,2,3...みたいに整数を割り振ってますが,これが一番ミソ。言葉に数値を割り振るのは単なる順番として振る場合と,大きさとして振る場合があります。順番を振るというのは,例えば2は1より大きいということは示してますが,2倍大きいとは言わない計算法です。一方で大きさとして振ると2は1の2倍の大きさです。つまり1を二つそろえると2と同じになるとか,3よりも2が二つある場合が大きいとか,そういう計算が出来るようになります。
今回のAHPというのはどうやら評価語を「大きさ」として数値化しているようです。こうなると,この数値化が本当に心情にあってるのか?が一番大きな問題になります。「少し重要」が束になっても「かなり重要」にかなわないという場合には単純に1とか2とか振るのは,その前提からあって無いってことになります。
その後にやっている複雑な計算はあくまでもその評価語がきちんと数値化されているという前提での計算です。それはその前提(心理モデル)の上では正確でいろんなことがわかるのでしょうけど,その前提があってるか?はその結果をさらに現実の心情と照らし合わせたりしないとわかりません。
さて,この手法はあってるのでしょうか?。そのうち実際に計算してみて,その結果を自分の胸に手を当てて聞いてみることにでもしましょうか:-)。
コメント
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