たろの日記ページ,gooブログ版

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科学無視現実無視に向かう政治

2009-07-20 11:39:33 | 社会
もうずいぶん前の話ですが,内閣府食品安全委員会の人事案を野党が拒否していたということを知りました。輸入牛肉の安全性の評価に対して,政治が圧力をかけたということになります。このことに対して,科学よりの人からはいくつか反論が出ていて,一つは科学ライターの松永和紀さんの意見,ここでは食品安全委員会の反論。そして,野党が根拠にした独立行政法人産業技術総合研究所中西先生の報告を紹介。この方の意見が政治に曲解されているとしてます。実際に中西先生自身が自分の意見を曲解されたことを不思議がっております
ここで見られる意見は,要は科学界は評価をしているだけ。もちろんデータが揃わなくて,不完全な評価を出す場合もあるが,それはそれできちんと説明している。その評価を受けて,リスクを管理し政策を判断するのは別の人の仕事なのに,なぜ評価をした人が切られるのか?ということです。
最近政治が自分達に都合がいいように科学的な事実まで捻じ曲まげようという様な行動を良く見ます。先のインフルエンザの騒ぎも,経済の影響があるから,安全宣言をしろという圧力をかけた政治家がいました。もちろんそれはその科学者ではなく行政に対してですが。
これは与党野党に限らない話ですが,どうも最近は政治が現実から離れて机上論優勢になってる気がします。現実で可能なのかを判断せず,こうすれば世間に受けがいいとか,こうすれば自分達に都合がいい…という様なことを実行しようとします。こういう無茶な方向性を実際に政策に落とし込むのが官僚の仕事だったり,そしてその際に意見として照会されるのが学者だったりするのですが,どうもその官僚や学者に対する扱いがひどすぎます。つまり自分達に都合が悪い学者や官僚を政治がかって切ろうとしてます。官僚は公僕ですから,まだそういうのもありかと思いますが,それでも優秀な官僚がいないと実際の政策は回りません。そして何よりも学者は科学的立場に対して意見を述べてるだけなのに,意見を強制されるというのはまるっきり政治が現実離れした方向に行こうとしてるように思い,恐ろしいものを感じます。
今の様な政局不安というか政権交代というゴタゴタの中,口当たりのいい理想論を唱え,そして現実から乖離した政策が約束され,そこには科学的な意見はまったく無視される…それは本当に大丈夫なんでしょうか?
コメント
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