森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

コロポックル

2015-07-09 | 日記


 コロポックルに出会ったのは、確か小学校三年のときです。子供
達でアイヌの昔話をラジオドラマでやったのです。テレビのない時
代ですから、ラジオドラマが一番の楽しみでした。その時どういう
わけか、コロポックルの役を私がやったのです。
 今では題名もストーリーも忘れてしまいましたが、「アイヌの髭
よ白くなれ~」と叫んだのを覚えています。
 コロポックルは大きな蕗の葉の下にいる、とても小柄な人達で、
我々にはない特別なパワー、神通力持っていました。それには驚き
ましたが、それよりもなによりも、自分達とまったく違う人々が、
この大地で、同じ空の下で暮らしていたことに、ビックリしました。
 どんな人達なのか、お会いしたいというよりも一目見たかったの
です。



 かなり後になってから知ったのですが、コロポックル村とアイヌ
村は、お互いに食べ物を分け合い助け合って、仲よく暮らしていた
そうです。ところがある時もめ事がおきて、それをきっかけにコロ
ポックルはどこかへ移動してしまいました。それっきり二度と姿を
見せません。どこへ行ったのかまるでわかりません。風の噂も聞こ
えてこないのだから、かなり遠くへ行ったようです。



 森を歩いていると、道から外れたずっと奥の方に、もしかしたら
コロポックルさんが戻ってきて、また村を作って笑顔で暮らしてい
いるような気がするのです。うまくいけば、会えるのではないかと
後ろで物音がすると、「もしや!」と振り返ります。
 子供の頃の気持ちを捨てきれないのです。


  動(yurugi)


  

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