昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

八重山のミルク信仰

2007年05月12日 | 沖縄の旅
八重山旅行の思い出を再開します。


石垣島の八重山民俗園「旧牧志邸」の玄関に展示されていた「ミルク」の衣装です。
左右の写真は、それぞれ玄関の左右に飾られ、右の着物は多分「ミルク」のものだと思います。(ミルクの着物は黄色が多いのですが・・・)

「ミルク」は、「弥勒菩薩」のことだそうです。
広隆寺などの弥勒菩薩像の細くしなやかなイメージとまったく違っています。
これは七福神の「布袋さん」のお面で、布袋さんが弥勒菩薩の化身とされることに由来しているそうです。
「布袋さん」は、中国唐の時代の禅僧、布袋和尚のことで、七福神の中ではただ一人実在した神様(人)のようです。

お面の下に書かれているのは「弥勒節」の歌詞で、「全国竹富島文化協会」のサイトに歌詞の意味が掲載されていました。
 大国(ベトナム)の弥勒が、島にこられました
  末永くご支配ください 島の主様、島の主様 

八重山のお祭りにミルクが登場したのは、昔漂流した八重山のお役人が、安南(ベトナム)に漂着、現地のお祭りで見た「ミルク」のお面と、衣装を持ち帰ったことが始まりと言われています。

「ミロク(弥勒)」が「ミルク」になった訳は、沖縄方言の発音の特徴にあります。
沖縄ではエ・オの母音がイ・ウに変化して三母音だそうです。
  五母音  a i u e o
  沖 縄  a i u (i) (u)




「旧牧志邸」に飾られていた八重山のお祭りの写真です。
先頭には五穀豊穣と幸福をもたらす神様「ミルク」、後ろには子供達の行列で、「弥勒節」の歌と共に登場するそうです。
ミルクは、黄色い着物(お坊さん用)、お面、頭巾を身にまとい、杖と、団扇を持って歩いています。

お祭りでは、御嶽での神事の後にミルクの行列を行うようで、信仰の中心はやはり御嶽に祀る祖霊神と考えられます。

向かって右の写真は、お祭りで行われる「ハーリー」の写真です。
小舟(サバニ)や、櫂(エーク)の模様や、海人の服装が印象的です。


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