昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

沖縄に昔からいる家畜(名護博物館)

2007年04月04日 | 沖縄の旅
 
運天港から今帰仁城へ着くと激しい雨になり、名護市の「名護博物館」まで引き返しました。

写真上段は、「名護博物館」の玄関です。(到着したら雨が止みました)
二階建てより高いブーゲンビリアの大木が色鮮やかに玄関を飾っていました。

写真二段目は、沖縄在来の黒豚「アーグ」(はく製)です。
以下は、説明板の転記です。

-アーグ(沖縄在来の豚)-
古くから沖縄で飼われていた黒豚で、明治の終わり頃に沖縄県全体で10万頭近くにたっしている。足が太く短く、腰が湾曲しているこの豚は暑さや粗食に耐え肉質にもすぐれている。ただ肥育期間が長いため外国種におされ、今では絶滅寸前の状態である。アーグをこれからどう保存利用していくか大きな課題である。

数年前の沖縄旅行で、沖縄在来の黒豚を復活させる取り組みの記事を新聞で見た記憶があり、調べましたら以下のサイトが見つかりました。
「青空放牧豚」
 http://www.k5.dion.ne.jp/~daigoya/about.html。

「アーグ」の絶滅に危機感を持った名護博物館が保存に乗り出し、沖縄県立北部農林高校(名護市)が繁殖に協力したそうです。
沖縄で農林水産業に携わりたいという思いで神奈川県から移住した山本さんが、本格的な事業として沖縄本島北部の大宜味村で飼育し、お客様へ配達もされているようです。

最近、鹿児島の黒豚が味の良さで有名になっています。
薩摩藩による琉球支配の時代に持ち帰ったものではないかと考えられます。
昨年の鹿児島旅行で、なんとなく食べた「黒豚ラーメン」ですが、もう少し認識して食べていれば印象に残る旅の味になったのではと思いました。

写真三段目は、沖縄の地鶏「ブラモー」です

説明板には「ブラモー(ブリモスロック)肉用・産卵鶏として古くから飼われている」とあります。
沖縄の地鶏の店がありますが、この鶏でしょうか。

写真四段目は、沖縄のアヒルです。
説明板には「アヒラー(アヒル)肉用・薬用として重宝された」とあります。
今でも食べられているようで、アヒラー汁は、風邪・喘息に効くそうです。

玄関を飾るブーゲンビリアは、中南米原産の植物ですが、きれいな外国種の花が身の回りにあふれ、豚も、飼育効率の高い輸入種が広がっています。
その反面、このように絶滅の危機に瀕している動植物も多くなってしまうということでしょうか。ちょっと複雑な気分ですね。