高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

竹細工クラブ 見学

2008年09月11日 04時31分41秒 | 工房

夏が過ぎ、少し落ち着いてくると、あちらこちらから工房見学の申し込みが来る。と言うのも、8月までは私が全国を飛び回っている事と、忙しい仕事に追われている時に来てもらっても困るからほとんどお断りしているのだ。「催事が無くなって、落ち着いてから見に来てください!」と言う事になる。

910_003 昨日、見学に見えたのは、同じ大分県の豊後大野市三重町の竹細工クラブの方達である。普段は、日用雑貨の笊とか、花篭を作っているそうだが、勉強させて下さいと言う事で見学に見えた。いつも、言っているのだが、私どもでは「中国製品などを仕入れたり、まがい物を仕入れたりしていないので、堂々と全部見ていって下さい。写真を撮っても良いです。職人の顔を取るときだけは必ず、本人の了承を取って撮影して下さい。その他は何を撮ってもOKです。判らない事があれば何でもお答えします。」という姿勢でやっている。

皆さん熱心に、次から次へと質問されてくる。「このヒゴはナンボくらいですか?」と、それに対して「この、バッグを作るには巾がこれ位で、厚みがこれ位です。でも、同じものを最低100個は作らないと、人様にお出しする物は出来ませんよ!」と。

実際問題、私がデパートの催事で実演していると、いろんな所で竹細工を趣味でやっている人が見に来る。作品を持って、なめる様に見ていくので大体、「竹細工をしているな!」と判るのだが、しかし、趣味で作っているものと、職人が作っている物では、明らかに違いがある。完成度の違い、センスの違い、強度、耐久性、漆の仕上がりなど、似てはいるが、見る人が見ると明らかに違うのである。

今回も、「私の所では、染色した染料が衣服に付かないように、こう、こう、こいった事をしています。もし、お着物を着ている時に染料が着物に付いたら、責任問題ですから弁償しなくてはならない。 そうならない為にこういった事をするのですよ!」とお話しすると、「へー、全然、そんな事は気が付かんかった!」と仰る。伊達にこのお値段を付けている訳では無いのです。「訳あって、このお値段になってます。」という部分が少しでも判って頂けたらと思い工房見学を受け入れているのです。

最後に冗談半分で「皆さんは明日から、商売敵になるのですから?頑張ってください」と。

竹工房オンセ

コメント
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