上野駅から「フレッシュひたち」で約1時間、石岡駅で下車、此処からバスに乗り換え、バスの中の乗客は私一人だけ、最初から最後まで貸切状態であった。通勤通学時間から外れているとは言え、こんなにお客様が居ないのでは大赤字路線であろう。バスに乗っていて途中から「ピー」という妙な音が聞こえてきた。「エッ、耳鳴りかな?」と思ったら、運転手さんが「すみません、水温計が非常ブザーを鳴らしていまして?」と、どうもオーバーヒート気味である。漸く柿岡車庫に辿り着いたが、バスの下からいっぱいの水が漏れていた。
エアパークに電話して、柿岡車庫まで迎えに来て貰う。颯爽と現われえたのは「呉本君」笑顔の爽やかな好青年だ。「一年前のダイムの記事を見ていて、今回来たのだ。」と言うと「その記事に載っているのは私です!」と喜んでくれた。15分ほど で、エアパークに付くと番犬がお出迎え。
最初に申し込みと承諾書にサイン。(今のご時世、訳の判らない事で経営危機に陥る事もあるのだ。)私が申し込んだのはチャレンジ・タンデムコース 12000円。
一日の流れをビデオで学習、ビデオの中の体験者の顔はどの顔も幸せで嬉しそうだ。専用の靴に履き替え、いざ出陣。エアパークの直ぐ近くにある斜面へ、まずは準備体操から。
パラグライダーを広げてみると随分広い、巾10メートルほどもあるだろうか?パラシュートの様に1枚の物と思っていたが、2重構造である。前方から空気を吸い込む取り入れ口があり、そこから空気が入ると飛行機の翼の様な形になる。グライダーの下に無数のヒモが下がっており、そのヒモの先にハーネスという人間を乗せる袋が付く。至って簡単な作りである。 装着した時は、甲羅を背負って丸いヘルメットというと、亀みたいである。
さて、いよいよ練習開始だ。両腿と胸に3点シートを装着。教わった通りに両手にラインを持ち、名前を忘れてしまったが?ハンドルの役目とブレーキの役目をするヒモを持つ。向かい風を受けながらスタート。1m2mも進むと直ぐにパラグライダーが風を孕み浮き上がる。此処から抵抗を感じながらグイグイ進んで行くと急に体がふわっと持ち上がる。
「アレッ?ヤッター、ヤッター」と心の中で叫ぶ。宙に浮いたまま自転車を漕ぐような形で足を回し続ける。コーチの合図でブレーキラインを下に引っ張ると着地だ。
思っていたより簡単に鳥に成れるぞ!ムフフ」
つづく