今年の年賀状に 「古稀の今年は 海から富士山に挑戦しようと思っています」 と書いた。
毎年登っている「海から富士山」を、わざわざ年賀状に書いた理由は
昨年の登山で自信を無くしたので、自分の背中を押すためと、自己顕示欲そのものだったと思う。
海から富士山は、昨年は7月9・10日に行っていて遅い年でも8月20日前までには登っていた。
それが今年は8月を過ぎたというのにまだ決行していない。
早くしないと富士宮新5合目から富士宮駅までのバスは、9月10日が最終日なので急がないと。
9月に入り天気予報に注意したが、好天気が続く日はなく結局9月3・4日に登る事にした。
昨年の登山では、1日目は例年通りの時間で6合目に到着したが、到着後いつもなら美味しく飲む氷結は
不味いし、夕飯もノツノツして喉を通りにくく、薬と思って無理に飲み込んでいた。
2日目も山頂までで疲れ果て、例年より1時間も余計に掛かってしまった。おまけにお鉢巡りはせず宝永山も
歩かずに下山する始末だった。
それを反省材料に今年は1日目の出発時間を2時間早める事で、ゆっくりでも夕方6時までには6合目に着く
ように設定した。
1時20分の田子の浦海岸は暗闇の中だが漁港の灯台の青と赤の灯が点滅している。海には漁船が灯す
漁火がチラチラ動いていた。今自分の漁は何があるのだろう? シラス? サクラエビ? 分からない。
今朝は海岸を2時に出る予定だったが、家で横になっていても眠る事が出来ないので、そんな事なら早出を
しようと、一睡もしないまま車を走らせてきた。
工事中の出口側
夜中とはいえ舗装された車道だし、過去何回も歩いている道なので何の不安もない。ヘッドランプも海岸
以外では余り点ける事もなかった。
下を向いて黙々と歩いていると突然目の前にロープが張られていた。ヘッドランプを付けて確認するとロープの
先は2m程の低くなっていて、そこには重機が2台停まっている。
工事中なら回り道が有る筈だと案内板を探すが見当たらない。どうやらもっと手前に回り道に表示があったのを
見落としてきたようだ。こうなればここを行くしかないと前に行くが段差が大きすぎて降りれそうもない。右側も
同じように段差があった降りられない。では左側とヘッドランプを照らすと法面はあるが、そこを登るのも大変
そうだ。他にないかと前方下を照らすと、ネコでも通すのか細く土が盛ってある場所が見えた。フー助かった。
後はどうという事はなく舗装道路に戻る事が出来た。
最初は回り道を見逃した事を後悔したが、こうなると逆で、回り道を見逃した事に感謝だ。こんな田舎の道では
回り道はどれ程遠回りか分からない。それに昼間ここを歩くとなればぜった通してもらえないだろう。
ともかく助かった。今日はツイテいる。
月は見えないが星は少し見えている。吉原の町か夜景も見える場所があった。
桑崎のを過ぎた先は民家はなくなるが特に不安は感じない。ここまでも車以外は擦違っていないし、この先は
車も走っていないだろう。こんな所で人に会ったりしたら逆に恐ろしくなってしまう。
産廃施設の先で更に細く暗い林道に入る。道は舗装されているのではっきりしているが、ここから先は鹿や猪が
現れそうで心配だ。野生動物は早朝朝飯を探して歩くと云うし、特に猪は夜行性が強いと云う。そこでここからは
ヘッドランプを付ける事にする。何? ズート点ければって
点けるのは良いけど明日も3時前から歩く予定なので電池が無くなると困る。電池の予備は重たいので持ってきて
ないが、出がけに新品に変えたので大丈夫と思うが注意することに越した事はない。
何事もなく林道を通過。前方には十里木街道の県道を走っている車が見えている。林道の中は薄暗いが県道は
既に完全に明るく夜は明けていた。
県道の合流点に5時15分到着。ここは食事とチェックポイントの場所と決めていたので経過時間を調べてみた
今年 海岸発 1:20 → 5:15 県道出合着 所要時間 3時間55分
昨年 海岸発 3:35 → 6:40 県道出合着 所要時間 3時間05分
オー! ここまで50分も余計に掛かっている。ここは今日の行程の大よそ30%位の所だから、仮にこのまま
行けても6合目到着までに170分(3時間)余計に掛かる計算になる。
到着時間は3時間余計に掛かかる、朝が早かったので6時には着けそうだ。だが気になるの余り早い段階で
ペースが落ちた事だ。
マー 先のことは次のチェックポイントの水ヶ塚で考えればよい。ともかく1回目の食事だ。
ウーン何だか変だ。林道を歩いているときは空腹感を感じたが、今は何故かノツノツして喉を通らない。
この現象は富士山の山頂や超長距離を歩いた後の夕飯。そして昨年の6合目の夕食もそうだった。
おまけに食事が終わるころから胸が息苦しくなってきた。気のせいだと思う事にしたが、これで不安が増大。
今日例え6合目まで辿り着けたとしても明日の登山はどうなるか。いくら早朝出発しても距離は変わらない
ので、疲れは増える事はあっても減る事は無さそうだ。と云う事は剣ヶ峰に到着できないという事だ。
ウーンどうしよう、迷って迷って、悩んで悩み抜いたが、心の奥は決まっている。ともかく水ヶ塚まで行こうと。
そろそろ通勤時間になるのか十里木街道は乗用車がスピードを上げてくる。右端を歩いている私に気づき慌てて
ハンドルを切る車もあるが、そのままの方向で走り抜ける車もある。俺に気付いているのかな?と恐ろしくなる。
もうこの道も今年が最後で、来年からは新5合目から歩く予定なのだから暫くの我慢だ。
歩きながらもまた迷いだした。
この調子では明日の登頂はほぼ無理なのに、歩き慣れた道をわざわざ水ヶ塚まで行くのも面白くない。それなら
須山口登山道に合流する弁当場まで行ったら、水ヶ塚に向かわず須山口を須山に下ったらどうだ。
須山口の下の部分は1度しか歩いてないし、新しくなった須山浅間神社に参拝するのも良い。
ヨシ!これで決定だ!
十里木越前岳登山口 登山口の道標
決定はしばしば変更する。これは私の得意技で越前岳の草山を見て、またさっきの決定は変更される。
今年の春、越前岳に富士山と愛鷹ツツジを見に登る予定だったが、ツツジの時季とコースが決まらず結局
歩かなかった。
越前岳の登山コースで一番多いのは、ここ十里木の越前岳登山口に車を置いて、越前岳を往復するらしいが
それでは面白ないし、富士山の紙幣の絵柄にもなった所から富士山も見てみたい。
今はツツジは咲いていないが車がないので、ここに戻る必要はない。
近くに立つ道標には越前岳まで120分と書いてある。しかも越前岳の標高は1507mで6合目の2500mに比べ
1000mも低い。時間もまだ7時半で充分早い。愛鷹山の地図も資料も持っていないが越前岳までは1時間余計に
みて3時間とする。富士山を見ながら黒岳方面に下り林道まで3時間。そこから須山まで1時間。休憩を含んでも
8時間あれば十分だろう。今は7時半だから須山には3時半には着くだろう。
ヨシ これが最終決定だ。
毎年登っている「海から富士山」を、わざわざ年賀状に書いた理由は
昨年の登山で自信を無くしたので、自分の背中を押すためと、自己顕示欲そのものだったと思う。
海から富士山は、昨年は7月9・10日に行っていて遅い年でも8月20日前までには登っていた。
それが今年は8月を過ぎたというのにまだ決行していない。
早くしないと富士宮新5合目から富士宮駅までのバスは、9月10日が最終日なので急がないと。
9月に入り天気予報に注意したが、好天気が続く日はなく結局9月3・4日に登る事にした。
昨年の登山では、1日目は例年通りの時間で6合目に到着したが、到着後いつもなら美味しく飲む氷結は
不味いし、夕飯もノツノツして喉を通りにくく、薬と思って無理に飲み込んでいた。
2日目も山頂までで疲れ果て、例年より1時間も余計に掛かってしまった。おまけにお鉢巡りはせず宝永山も
歩かずに下山する始末だった。
それを反省材料に今年は1日目の出発時間を2時間早める事で、ゆっくりでも夕方6時までには6合目に着く
ように設定した。
1時20分の田子の浦海岸は暗闇の中だが漁港の灯台の青と赤の灯が点滅している。海には漁船が灯す
漁火がチラチラ動いていた。今自分の漁は何があるのだろう? シラス? サクラエビ? 分からない。
今朝は海岸を2時に出る予定だったが、家で横になっていても眠る事が出来ないので、そんな事なら早出を
しようと、一睡もしないまま車を走らせてきた。
工事中の出口側
夜中とはいえ舗装された車道だし、過去何回も歩いている道なので何の不安もない。ヘッドランプも海岸
以外では余り点ける事もなかった。
下を向いて黙々と歩いていると突然目の前にロープが張られていた。ヘッドランプを付けて確認するとロープの
先は2m程の低くなっていて、そこには重機が2台停まっている。
工事中なら回り道が有る筈だと案内板を探すが見当たらない。どうやらもっと手前に回り道に表示があったのを
見落としてきたようだ。こうなればここを行くしかないと前に行くが段差が大きすぎて降りれそうもない。右側も
同じように段差があった降りられない。では左側とヘッドランプを照らすと法面はあるが、そこを登るのも大変
そうだ。他にないかと前方下を照らすと、ネコでも通すのか細く土が盛ってある場所が見えた。フー助かった。
後はどうという事はなく舗装道路に戻る事が出来た。
最初は回り道を見逃した事を後悔したが、こうなると逆で、回り道を見逃した事に感謝だ。こんな田舎の道では
回り道はどれ程遠回りか分からない。それに昼間ここを歩くとなればぜった通してもらえないだろう。
ともかく助かった。今日はツイテいる。
月は見えないが星は少し見えている。吉原の町か夜景も見える場所があった。
桑崎のを過ぎた先は民家はなくなるが特に不安は感じない。ここまでも車以外は擦違っていないし、この先は
車も走っていないだろう。こんな所で人に会ったりしたら逆に恐ろしくなってしまう。
産廃施設の先で更に細く暗い林道に入る。道は舗装されているのではっきりしているが、ここから先は鹿や猪が
現れそうで心配だ。野生動物は早朝朝飯を探して歩くと云うし、特に猪は夜行性が強いと云う。そこでここからは
ヘッドランプを付ける事にする。何? ズート点ければって
点けるのは良いけど明日も3時前から歩く予定なので電池が無くなると困る。電池の予備は重たいので持ってきて
ないが、出がけに新品に変えたので大丈夫と思うが注意することに越した事はない。
何事もなく林道を通過。前方には十里木街道の県道を走っている車が見えている。林道の中は薄暗いが県道は
既に完全に明るく夜は明けていた。
県道の合流点に5時15分到着。ここは食事とチェックポイントの場所と決めていたので経過時間を調べてみた
今年 海岸発 1:20 → 5:15 県道出合着 所要時間 3時間55分
昨年 海岸発 3:35 → 6:40 県道出合着 所要時間 3時間05分
オー! ここまで50分も余計に掛かっている。ここは今日の行程の大よそ30%位の所だから、仮にこのまま
行けても6合目到着までに170分(3時間)余計に掛かる計算になる。
到着時間は3時間余計に掛かかる、朝が早かったので6時には着けそうだ。だが気になるの余り早い段階で
ペースが落ちた事だ。
マー 先のことは次のチェックポイントの水ヶ塚で考えればよい。ともかく1回目の食事だ。
ウーン何だか変だ。林道を歩いているときは空腹感を感じたが、今は何故かノツノツして喉を通らない。
この現象は富士山の山頂や超長距離を歩いた後の夕飯。そして昨年の6合目の夕食もそうだった。
おまけに食事が終わるころから胸が息苦しくなってきた。気のせいだと思う事にしたが、これで不安が増大。
今日例え6合目まで辿り着けたとしても明日の登山はどうなるか。いくら早朝出発しても距離は変わらない
ので、疲れは増える事はあっても減る事は無さそうだ。と云う事は剣ヶ峰に到着できないという事だ。
ウーンどうしよう、迷って迷って、悩んで悩み抜いたが、心の奥は決まっている。ともかく水ヶ塚まで行こうと。
そろそろ通勤時間になるのか十里木街道は乗用車がスピードを上げてくる。右端を歩いている私に気づき慌てて
ハンドルを切る車もあるが、そのままの方向で走り抜ける車もある。俺に気付いているのかな?と恐ろしくなる。
もうこの道も今年が最後で、来年からは新5合目から歩く予定なのだから暫くの我慢だ。
歩きながらもまた迷いだした。
この調子では明日の登頂はほぼ無理なのに、歩き慣れた道をわざわざ水ヶ塚まで行くのも面白くない。それなら
須山口登山道に合流する弁当場まで行ったら、水ヶ塚に向かわず須山口を須山に下ったらどうだ。
須山口の下の部分は1度しか歩いてないし、新しくなった須山浅間神社に参拝するのも良い。
ヨシ!これで決定だ!
十里木越前岳登山口 登山口の道標
決定はしばしば変更する。これは私の得意技で越前岳の草山を見て、またさっきの決定は変更される。
今年の春、越前岳に富士山と愛鷹ツツジを見に登る予定だったが、ツツジの時季とコースが決まらず結局
歩かなかった。
越前岳の登山コースで一番多いのは、ここ十里木の越前岳登山口に車を置いて、越前岳を往復するらしいが
それでは面白ないし、富士山の紙幣の絵柄にもなった所から富士山も見てみたい。
今はツツジは咲いていないが車がないので、ここに戻る必要はない。
近くに立つ道標には越前岳まで120分と書いてある。しかも越前岳の標高は1507mで6合目の2500mに比べ
1000mも低い。時間もまだ7時半で充分早い。愛鷹山の地図も資料も持っていないが越前岳までは1時間余計に
みて3時間とする。富士山を見ながら黒岳方面に下り林道まで3時間。そこから須山まで1時間。休憩を含んでも
8時間あれば十分だろう。今は7時半だから須山には3時半には着くだろう。
ヨシ これが最終決定だ。