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『誤解されない話し方』梅田悟司著

2017年08月06日 | 人生の知恵
講師という仕事をしているために、発言に信憑性を与える立ち振る舞いには気をつけているし、興味がある。この本で述べられている方法の、

① 言動にムダがないか=シャープな印章は相手に話し聞く姿勢を取らせる
   身だしなみ、フラフラしない歩き方、キョロキョロしない目線、えーと・・・などの余計な言葉、等々。
② 確信を持って話しているか
   どれだけ考えたか、どれだけ熱意があるかといった話している際に現れる姿勢
③ 話が整理されているか
   頭の中の考えをいかに正確に言い表すか。5W1Hで整理する


は、自分なりに理解していた講師としてお3要素、「心・技・体」に通じていて、しかも具体的な行動として整理されているから有難い。そして、何気ないことだが、以下も参考になる:

●伝える力
相手の意見に対しての感想を述べたり質問をする。その中に自分の言いたいことを織り交ぜていくことで、質問しながら自分の考えてきた意見を述べるようにする。相手にとっても、自分の意見に対しての質問なので「意見を押し付けられるのではないか」と言う心理的なハードルが下がる。

●「だからこそ」の力
「だからこそ」を上手く使うことであいてが述べた理由をそのまま自分の意見が正しい理由に置き換えることができる。
例)
A:ありきたりな提案に思えます。
B:だからこそ、提案をしています。今一度基本に立ち返ることで戦略を練り直すことを再認識していただくために、あえてお話ししております。

●説得と交渉の三層構造
 感情 相手の感情=自尊心をなおざりにしてはならない
 理論 提示したものが理に「かなっていることと、相手の理論にも沿うものであること
 利害 納得の上での後押し

●笑声を使いこなす
張りが合って口を大きく開けて母音をしっかりと発音する。この声が誰の耳にも心地よく、相手の関心を惹き付ける魅力的な声であるとされている。

●相手の本音を引き出すためのコミュニケーションスキル
相手の意見を反論としてとらえず、何を考えているかを冷静に判断するために相手の意見に耳を傾ける。相手何を話しているかも重要だが、本来は何を思っているかを探ることが最重要。行間を読んだり言葉になっていない気持ちを察する必要がある

マネジメントに通じるものとしては、以下が参考になった:

●エンパワーメント(=人を前向きにさせる力)が成立するための要素
① ビジョン・目的の共有
② 正当な評価と報酬
③ 能力の把握と資源の提供

●フォロワーシップの構成要素
① 貢献力: リーダーの指示に対して自主的に動く力
② 批判力: リーダーの指示に対して意見を述べる力


「だからこそ」が持つ力を見極めていることには驚くとともに、この言葉の力は是非使ってみよう。又、エンパワーメントとかフォロワーシップといったワードは研修でよく出すものの、受講者に正しく届いているのだろうか、人それぞれ独自の定義に置き換えられてはいないだろうかと気になっていた。言葉の定義もさることながら、それらを実践するために必要な要素や行動内容をしっかりと伝える方法が役に立つことを教えられた。

加えて、著者の以下の見方も興味深い:

●環境には外部環境(自分と直接接点がない)と内部環境(自分と直接接点がある)の2種類がある。企業という組織の中ならば「社風は変えられないが部風くらいなら変えられそうだ」「市場を活性化するのは大変だが、自社商品を改良することならできそうだ」といった具合に、より小さなユニットを見ていけば、おのずと自分の占める割合は高くなり、自分の影響力は増していく。

●「キレる」人間の増加の背景
① 我慢力の低下
オンデマンドの時代ゆえに、我慢力が低下している。コンビ24時間化から生まれた「やりたいことを、やりたいときに」という考え方は、ネットの常時接続で爆発することとなる。(中略)それは「習慣」の恐ろしさである。知らず知らずのうちに誰かに合わせる機会が減り、その連続の中で無意識に我慢する力が低下していく。最終的に自分の都合を優先して動くことや、誰かの都合を合わせてもらうことに罪悪感すらなくなっていく。
②修正力の低下
自分が正しいと思っている意外の意見を許容し、お互いに納得できる考えを捜していく力が低下している。多メディア化が進む中で「情報は与えられるものである」という意識が進んだことに起因している。(中略)現代ではポータルサイトで調べたいトピックスを検索すれば、何千、何万件の記事を瞬時に見使えることができる。そこには事実だけではなく、個々人の意見が付随されていることも多く、ピンとくる解釈があればあたかも自分が考えたかのような気分を味わうことができてしまう。答えを導くまでの思考までもが簡略化されてしまっている。(中略)ネットでの『取捨選択は、消去法をもって情報を選択しているにすぎず、結果自分の頭の中に感じている正解のイメージから離れた意見が出てきたときに、代替案を提示したり正しい方向性を示唆することができなくなる。

●周囲半径5メートル以内にいる人たちへの接し方
感謝の念をもって接する。そして彼らの良いところを見つける。そうすると今まで気付かなかった「何か」に出会う。身近に「いる人の尊敬できるポイントを発見できるようになると、自分がどう変わればいいかがおのずと見えてくる。


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