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正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―

2019年11月08日 | 街歩き
東京上野の東京国立博物館で、正倉院宝物が見られる機会があったので行ってきました。令和元年となった今年、天皇陛下の御即位を記念して正倉院宝物を広く国民に開陳する特別展でした。




混んでいることを想定して平日の午後に出かけたのですが、それでも入場するまで40分待ちという状態。中に入っても、展示物の前は満員電車のような有様の中で、皇室が守り抜いてきた宝物を見てまいりました。それにしてて年配者の比率が高かったこと。半分以上は年金生活者とお見受けいたしました。(私も、もうすぐ年金生活に入りますが...)

場内はもちろん撮影禁止。螺鈿で装飾された平螺鈿背八角鏡や螺鈿紫檀五絃琵琶、白瑠璃椀などが有名ですが、本物を目にすることができました。特に白瑠璃椀ですが、類似の品は土中から発掘されたものが多いために変色してるのに対して、倉の中でしっかりと保存されてきたものはいまだにガラスが透明で、現代の作品といっても通りそうな透明感です。

また、螺鈿という技法の細かいこと。作り上げるのにどれほどの時間と労力が要ったのだろうかと思うと、権力者の力をまざまざと感じましたね。そうそう、展示品の中に香木がありましたが、香木の一部が切り取られた後が明白に残っており、しかも切り取ったのが織田信長だったり足利義政だったりしているのです。これまた権力者ならでは行為が目の前に突き付けられた展示でもありました。

面白かったのは、塵芥すらも保存されており、展示の対象になっていました。塵芥といっても、1300年前のものの一部なので、そこには宝物の欠けた部分だったり、失われた宝物の断片だったりするわけで、それらを分類して調査する方々の苦労たるや、どんなものなのでしょうか。

展示の最後に琵琶2種のレプリカがあり、こちらは撮影自由でした。




裏側の装飾が見物だったのですが、配置の関係で背面は撮影できず。こんな感じの装飾です

もう一つの琵琶はバンジョーのような形態。背面の螺鈿の装飾が見事な美しさでした。






1300年前の宝物が今だに原型をとどめて残っているのは、中国などの陸続きの国と違って異民族の征服による破壊がなかったという幸せを身に染みて感じた時間でした。
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