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小山裕久著『恋する料理人』 その2

2005年05月07日 | My Diary
小山裕久さんのこの著書を読んでいると、グルメだ、食べ歩きだなどと言っている自分が、料理の本当の旨さを分かっていたのか非常に心もとなくなってきます。

「これ以上熱を加えたら焦げて苦くなってしまうというところで普通はやめます。ところが、そこからが料理。焦げ付くまでのほんのニ、三秒の間にわずかながらにおいしさをとらえる瞬間があるのです。」

この2、3秒の差を味わい分けるだけの舌なぞ、到底持ち合わせておりません。はは~ぁ、料理道を極めずに生半可な味わい方しかしておらずに、申し訳ありませんでした、と言うしかないですね。


「魚は生のままだと固いだけですが、おろして火を通し、パーンと弾けた時に香りが出る瞬間を食べると、本当に新鮮だと思うようになります。魚以上に魚らしくなる瞬間があります。その瞬間を作り出すのが料理人の仕事。」

魚料理というと刺身が登場し、「脂がのっている」とか「コリコリした食感が堪らない」といった常套句しか出てこないTVのグルメ番組では、こんな説明など出てきません。世のグルメは、目と耳から入った情報を鵜呑みにするだけで、自分の舌を通じて真の旨さを判断することを忘れているんだなぁ、と美味しい世界を愉しもうとして読み始めたはずの本なのに、知らず知らずにこちらの浅薄さを見透かされているような気になってしまいます。

著者はそんな皮肉っぽい文句は一つも出してはいませんが、こちらの舌がテストされるような気がして、この方の料理店に行くことを躊躇してしまう我が身が情け無い。
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