鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

堆肥の利用促進に向けて

2023年09月12日 | 議会活動
令和5年9月12日(火)

 先日、富士山麓の酪農家などから出る堆肥を茶園などで活用するための富士山麓堆肥利用促進協議会が開催された報道がありました。私もかねてより、堆肥の活用については関心があり、今後の動きを注視していきたいと思います。

 ロシアによるウクライナ侵攻を始めとするエネルギーの高騰や食料の確保の課題など、また堆肥・肥料の原料の多くが輸入に頼っているなど、日本の農業は海外に依存しているのが現状です。日本の将来を考えるときに、今こそ、食料自給率の向上を図り、海外への依存度を下げていかねばならないと感じています。

 酪農をはじめとする畜産業では、そのエサは輸入に頼り、価格の点からも経営を圧迫する大きな原因と言われています。一方で、野菜や稲などを作る農家にとっては、多くの肥料を必要とし、先ほど触れたようにその原料のほとんどが輸入となれば、海外の政情不安などにより価格やものの確保が困難になり、いずれも国内で量や価格などで安定的に確保できることが望ましいとされています。

 畜産業から出る堆肥は、その処理に大きな負担がかかり、堆肥などの有効活用への取組が進んでいます。農家では化学肥料を補完する肥料になり、有機栽培が進むにつれて堆肥の使用量は増えていきます。畜産業と農業のそれぞれの課題を同時に解決するためにも、堆肥の利用促進は欠かせません。
 静岡県西部の森町では、域内に畜産業と農業が混在しており、農家は畜産業から出た堆肥を使い、畜産業は農家から出た残渣をエサとして使い、双方に大きなメリットがあります。この好循環で、「甘々娘」で有名なトウモロコシ、レタス、水稲などを一つの畑で三毛作として実現し、安定した農業を実現しています。

 私の地元でもこのような取組ができないか、関心を持って見続けています。地元の農林水産業を所管する農林事務所との会合の席でも話題にし、今では、令和4年3月に設立した富士山麓堆肥利用促進協議会において、畜産と茶農家の両者の持続的な経営発展に向けて、堆肥利用の啓発や散布方法等について検討するとともに、需給のマッチングを図り、資源循環型農業の仕組の構築を目指しています。

 今回開催された会議では、参加した畜産農家から、堆肥化の労力や生産コスト、混合肥料の可能性、流通コストなどの課題の意見が出たといい、課題解消に向けて積極的に取り組んでいくことを期待します。
コメント
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