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おかしいという社員いなかったか

2009-10-18 13:49:09 | JR西に学べ
 JR西へ厳しい声「口先だけの謝罪や言い訳は響かない」 2009年10月18日0時50分

 裏工作をしても命は戻らない――。JR西日本は、宝塚線(福知山線)脱線事故の調査情報漏洩(ろうえい)など一連の問題を受け、17日午前に続いて、午後にも「お詫(わ)びの会」を兵庫県伊丹市内で開き、被害者に問題の経緯を説明し、謝罪した。参加者からは、同社の企業体質を問う厳しい声が相次いだ。

 17日の「お詫びの会」は非公開で2回開かれ、遺族と負傷者ら計219人が参加した。午前9時半に始まった最初の会が終了したのは午後1時半。出席者らによると、質疑応答ではJR西への批判が相次いだ。

 「公表前の調査報告書が社内にあって、おかしいと言う社員はいなかったのか」

 そう追及した男性に対し、山崎正夫前社長は「私の知る限りいなかった。当時の社内はそういう状況でした」と力無く答えた。負傷者の家族の女性は「『犠牲者の無念を思うとやるべきではない』と言える人がなぜいないのか。そんな会社は信用できない。今までで一番腹が立つ」と憤りをあらわにした。

 JR西の事故被害者に対する説明会は、今回で8回目。同社はそのたびに、「被害者への精いっぱいの対応が最優先」と言い続けてきた。

 「これが誠心誠意と言えるのか」「表向きは『精いっぱいの対応』と言いながら、裏では自分たちのことばかり。そんな幹部ではJR西は変わらない」。被害者は失望感を口にした。「あなたはなぜ社長になったのか」と問われた山崎氏は「企業防衛に考えがいってしまったのは事実としか言いようがない。おわびするしかありません」と答えるのがやっとだった。

 同社をめぐる一連の問題の発覚が、国土交通省の発表だったり、報道だったりした点にも批判が集中。「ずっと言わないつもりだったのか」と質問が飛ぶと、土屋隆一郎副社長は「検察の捜査を通じての指摘を、我々が申し上げるべきかどうか悩んでいた。結果的に後手後手になってしまった」と釈明した。
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 山崎前社長が取締役辞意 朝日新聞 2009.10.18

 JR宝塚線(福知山線)脱線事故をめぐり、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の委員から調査報告書案を公表前に入手するなどしていたJR西日本取締役の山崎正夫前社長(66)と土屋隆一郎副社長(59)が、佐々木隆之社長(63)に進退伺を預けていることが17日にわかった。山崎氏の起訴後も新たな問題が次々と発覚したことの責任を取り、事実上の辞意を表明したものとみられる。
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 「辞職届」でなく「進退伺」などと、まだ判断を預けているところへの違和感が第一感。社長を降りて、取締役に留まることからして非常識だろう。重要参考人として残る程度であり、経営判断を誤った者が経営に関与できる地位に居座るのはいかがなものか。誤った判断が出る土壌から、適切な改善策や変革が出ることなど、期待できない。なぜなら自分たちを裁けないのだから。

 それはまた調査報告書があることに異を唱える者など現れるはずもないことにもつながる。皆がストーリー通りに進めようとしていたのだから。自浄作用など期待できるはずもなく、経営陣すべてが経営の不適格者であったかのように思われてならない。苦しいながらもJR西日本のダメージが最小限になるように願うというのは、虫のよい考えである。企業防衛か危機管理のひとつだととらえていたのだろうか。ここでも顧客の立場にたった経営判断をすべきだったと思われる。

 誤った経営判断を正せない経営陣によって動いている組織は、死に体と言えそうだ。多くの判断をするなかで、中には間違えることもあるとはいえ、明らかになってみれば誰もがおかしいといえる判断をしているのであれば、能力や資質が問われることになる。

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